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Islay Whisky’s blog

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 その1 その2 その3
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

香港で置き忘れた現金が何故か手元に戻ってきて運とは何か思いを致す

バー

会社の後輩が出られなくなった某有名マラソン大会に、大した練習もせずに替え玉として参加したら30キロから尻と膝が悲鳴をあげ、やはりマラソンなめてたらダメだと思い知らされたその足で成田へ。そして空港でシャワーを浴び夕方の便で香港へ。

 

香港でお金を置き忘れたのに戻って来た。びっくりした。夕方携帯に現地の番号から着信があり、仕事の電話かと思って出たら先ほど訪れた銀行から。何だろう、と思ったらプラスチックバッグを忘れなかったか?と聞かれ、そうかもしれない、と答えると中身は何だったか聞かれ、1000ドル、およそ14000円ぐらいのお札一枚とコイン1枚、と答えると、もう閉店しているけど扉ノックしてくれれば渡すから今から取りに来て、とのこと。手続きの際にジップロックの袋に入れていた現金をカウンターに忘れてきてしまっていたらしい。ジップロック、とカタカナで書いてあってこれはどうやらさっきの日本人のものでは、と思って書類に携帯番号書く欄があったのを見て電話くれたようだ。

 

手ぶらで行くのも何なので何か手土産を、と思ったが、閉店しているのに遅くなり過ぎても申し訳ないので、近くのコンビニで何かないか探し、あまり冴えたチョイスではないとは承知で日本のどら焼き2つ入りの袋を3つ買って、閉店から1時間以上経ったHSBCの支店へ。

 

店のガラス扉から中を見ると、さっき窓口にいたお兄さんが短パンTシャツ姿に着替えていて、すぐにジップロックの袋を渡してくれた。お礼に、と言ってどら焼きの袋、それも香港のコンビニなので袋にも入れてもらえず包装も何もなしで、を差し出すと、規則で受け取れない、とのこと。いやそう言わずに、と軽い押し問答のようになってしまったが、結局受け取って頂けず。

 

お金はありがたいことに戻って来たが、どら焼き2個入りの袋3つを手に持って途方に暮れ、ホテルに持って帰っても食べないし日本に逆輸入するのも何だし、だからといって捨てるのも抵抗あるし、と思って悩む。そういえば昨晩ホームレスの人があそこにいたな、折角なので差し上げようと思って行ってみたがおじさんはおらず。だが夜露をしのげるところなので今晩また来るかもしれない、と思い、だが一方でゴミのポイ捨てのようで迷惑かもしれず、様々逡巡したが結局昨晩おじさんが座っていた場所にどら焼き6つを置いて来た。

 

しかし何故現金が私の手元に帰って来ることになったのだろう、逆にどうだったら帰って来なかったのか、銀行に謎のお金が残されていると管理上問題だったからなのか、香港の人が親切だからなのか、日本を贔屓にしてくれているからなのか、様々考えながら目についてふらっと入ってみた湾仔のバーで一人飲む。Back Barという、文字通りレストランの裏にひっそりあるバー。入り口はレストランの裏口のよう。気づかず行き過ぎて隣のビルの工事現場まで出てしまったらネズミが数匹逃げてちょっとびびる。引き返して無愛想なステンレスの分厚い扉を開けると、20人は入りそうなバーが現れる。週末は立って呑む人たちでごった返すのかもしれない。客は4分の入り。モルトバーではないがそこそこスコッチ置いてあるのでArdbeg and Soda、と注文。隣の香港人は山崎をストレートで飲んでいる。

 

カウンターで白人のお兄ちゃんが飲み物を作っているのを見ながら、サイドカーを飲み(レシピ見ながら作ってくれた)、タリソー飲んでいるうちに香港の夜は更けていった。

 

翌朝目覚めると携帯がやたらブルブルいうので何かと思ったら家人からのLINEで、大津波警報出ているとのこと。慌ててホテルの部屋のテレビを付ける。NHKのアナウンサーが「津波です、一刻も早く逃げてください」と強い口調で言っているのをずっと聞いているうちに5年前を思い出したのか、何故か涙が出てきた。もうアラフィフのおっさん、それもほとんど被害がなかった東京在住、にとってもトラウマになっているのだとすると、今回どれだけの人が改めてあの出来事を思い起こして再び心を痛めたのだろう、という思いに至った。幸せは築くのに時間がかかるが不幸せは人の人生に一瞬のうちに降りかかる、という非対称性の不条理について、そして昨晩も考えた運とは何かについてまた考えさせられた。どら焼きは捨てられていないと良いのだが。

 

www.cathaypacific.co.jp