東京ウイスキー奇譚 Islay Whisky’s blog

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 その1 その2 その3
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

秋葉原コーヒー VAULT

秋葉原に所用で出かけ、ついでにコーヒー好きとして以前から気になっていたVault Coffeeに行ってきた。以前も書いた気がするが、ウイスキーをストレートで飲んで旨いと感じられる人の多くは、旨いコーヒーをストレートで飲めばその旨さを感じ取ることができるのでは、と思っている。ソースは俺。

秋葉原の駅から中央通りを少し北上して脇道にそれ、アキバ系雑居ビルの怪しげな入口を入り萌えキャラポスターががっつり貼られたエレベーターに乗って3階に。

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事務所を改装したのだろうと思しき物件のドアを開けると長いカウンターと奥にソファが見える。意外と広い。カウンターの中には若い男性一人。


カウンターの一番端に座ってメニューを眺め、「いつもエチオピアやグァテマラが好きで飲んでいるのですが、何がお勧めですか?」と聞くと名前を失念してしまったが特別なブラジルを勧められる。
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オーダーを終えてほっと一息、改めて店を見渡すと、一人で来ている女性客がカウンターでホットサンドのようなものを召し上がっていて、いかにも秋葉原という感じの4、5人連れが奥のソファーで盛り上がっている。だが意外と店が広いのでカウンターの端に座っていると気にならない。

床は仕上げ材なしで研磨した感じ、壁も天井もかなりミニマルな内装。カウンターの中も手作りな感じなので、おそらくカウンターの中にいる20代のように見える店主が一人で頑張ったのだろう。

コーヒー好きとしてはどのような落とし方をするのか気になるのだが、見ていて正直「これで大丈夫???」と最初思った。というのも豆を挽き、その粉を温めておいたポットに入れ、お湯をポットに注いで蓋をしてしばらく置いて、アラームが鳴ったらナイロンのフィルターにざばっと注いで温めたカップに一気に落とす、という一見とてもラフな淹れ方。まるで紅茶を入れるよう。

普通はハンドドリップで、首の長いケトルでネルに入れたコーヒーの粉をしばらく蒸らし、ゆっくりとお湯を注いで落としていく、という淹れ方をするのだが、こんなざっくりとしたやり方で美味しいのか?と疑問を抱きつつ飲んでみると、これが驚くほど旨い。香りが高いのに飲み口は軽く、何杯でも飲めそう。だが飲みごたえがないわけではない、という不思議な旨さ。

「美味しかったですか?」と尋ねられたので「美味しくて驚きました、なんでハンドドリップしないのですか?」と聞いてみた。

すると返ってきた答えが、「私は豆屋に働いていたので」。答えの意味が分からず、なんで豆屋で働くとハンドドリップではないのか改めて聞く。
そして再び帰ってきた答えが「ハンドドリップで入れると豆が売れないんです」。また???となる。

よくよく聞いてみるとこういうことだった。
「私はかつてコーヒー豆屋に勤めていて、ハンドドリップで美味しいコーヒー出すと淹れ方が上手いのでコーヒーが美味いと思われて美味しい豆が売れなかった。美味い豆から淹れるコーヒーは雑味がないのでハンドドリップでなくても旨い」とのこと。深いわ。VAULTではCup of Excellenceという最上級の豆を使っているので、適当に入れているように見えるやり方でも旨いコーヒーがいただける、ということだ。

「うちで豆買うと高いですけど、新大久保にあるトーアコーヒーで売ってもらうととてもいいコーヒー豆がすごく安いですよ」と教えてもらう。
ももう豆の売れ行きを気にしなくても、上等のコーヒー豆を上手い淹れ方で入れて特別美味いコーヒー出しても別にいいんじゃない、このお兄さんは美味いコーヒーよりも美味いコーヒー豆をこよなく愛している人なのかも、と思い少し可笑しくなった。

VAULT COFFEE

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