東京ウイスキー奇譚

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

洋食が好きでたまらない

洋食が好きでたまらない。肉や魚と、付け合わせのサラダと美味しいごはん、という黄金の組み合わせ。とんかつ、カキフライ、ポークソテー。どれもつやつやに光るお米と一緒に食べるととても幸せになる。

休日にわざわざ洋食を食べに行こう、と思うのは御徒町の「ぽん多」。初めての人をやや威圧する店構え。立派な木彫りの看板。入り口横に「創業   明治三十八年」と書かれている。

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食べ物屋にしては重い木のドアを開けるとキッチンとカウンターがあるのだが、その左には下の色紙が飾ってある。

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「これはいくさに負けなかった国の味である」。明治38年、1905年と言えば日本海海戦東郷平八郎率いる帝国海軍がバルチック艦隊を完膚なきまでに叩きのめした年だ。明治維新からわずか40年足らずで列強の地位の一角を占めるようになった日本の誇りがここぽん多にある。

家人が一緒だったのでカツレツ、ポークソテー、カキフライという3種を注文。キリンの中瓶を飲みながらじっと待つ。カツレツをとんかつと言ってしまうと訂正されるので注意。

最初に出てきたのはカキフライ。牡蠣の粒が大きい。衣はカリッと、噛むと中は官能的に柔らかく、海の塩と牡蠣のミルクの甘さが混然一体となって滲み出てきて後頭部がざわざわするぐらい。家族で奪い合いになる。

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そしてお待ちかねのカツレツが登場。肉の甘みが強い。ソースをつけずに食べるのが好きだ。ソースなしでも衣についている味とラードの旨みで全くご飯に負けない。綺麗に揚がっているので皿に接している面の衣が油でべとっとすることがない。

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そして一番の楽しみはポークソテー。肉そのものも旨いし、和風の甘辛いソースがご飯にぴったり。これぞ日本の洋食、という感じ。レタスも驚くほどパリッとしていて、レタスにソースつけるだけで大げさでなくご飯一杯は食べられそうだ。

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このポークソテー、下手な店でステーキ食べるよりも肉食べた、という気になる。牛肉にないぷるんという豚肉の弾力。噛めば噛むほど中から出てくる肉の旨み。これはやはり誇り高い日本の味だ。お勘定は少しお高いが、古き良き日本のサービスと日本の洋食の最高峰を楽しめると思うとそれだけの価値はある。

ぽん多本家

食べログ ぽん多本家

 

 

もう一つ私の大好きな洋食は神田の万平。ここのカキのバター焼きを食べると本当に幸せになる。小さなお店なのでいつも相席になるが、お客さんも気持ちいい人が多い。店構えは特別なことは何もないけれど手入れが行き届いていて、パリッとした暖簾からは江戸のプライドが伝わってくる気がする。

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本来はとんかつの店なのでロースもヒレも旨いが、牡蠣に小麦粉をまとわせてバター醤油で甘辛く味付けたカキバター焼が絶品。このアルマイトのようなお皿がクラシックな洋食屋ではお約束のような気が。

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ご飯に合うことこの上ない。最近いろんなところで紹介されてしまったので、なかなか入れなくなってしまって冬のこの時期の楽しみが奪われてしまった。

近くのとんかつ屋やまいちもいいけれど私にはちょっとラードの味が強いので、とんかつよりもかつ丼がおすすめ。かつ丼をここまで丁寧に作っているとんかつ屋はあまりない。

どこの店も食べる人のことを考えて丁寧に作っているのが皿から伝わってくる。そんな店は、店構えが違う。適当な仕事しかしない店は、店構えも適当でこだわりが感じられない。初めての店を選ぶときは、外観の写真をチェックすることをおすすめする。

店の入り口まで来て何か違う、と感じたら大体外れだ。
人間、飲める酒の量も食べる食事の回数も決まっていると考えると、変な酒で無駄に酔っぱらったり納得いかない食べ物で腹を満たしたりしている場合ではない。

 


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