東京ウイスキー奇譚

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

名古屋Bar Barns、津Bar Amberなど:オチのない年末年始の飲み食いの記録

名古屋にて

2017年のクリスマスディナーは名古屋の昭和の居酒屋で一人飲み。大須のその名も大須。絵に描いたような赤提灯。手羽先が旨い。狭い店だがアットホームでアウェイなのに変な緊張感を強いられないのがいい。

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少し歩くとBar Barnsがあるので行ってみた。階段を下りてドアを開けるまでと開けた後もいくつか客に対する注意書きのようなものがあって、ちょっと不安になった。客に対する注文の多い店は、オーナーバーテンダーの料簡が狭いか、客筋が悪いかで居心地の悪い可能性が高いので。だがそれは杞憂だった。

オーナーバーテンダーの平井さんをはじめスタッフが適度の距離感をとりつつも温かくもてなしてくれる。マイナー系の蒸留所が好きで、バーボン樽熟成の穀物感があってクリーミーウイスキーが一番の好み、というとバックバーから色々持ってきてくれた。Glenburgieの京都津之喜向けボトリングや、閉鎖蒸留所Glenlochyのボトル(最初はGlenlossieの間違いなんじゃないかと思った)、Croftengea(Inchmurrinと同じLoch Lomond蒸留所で作られているピートの強い銘柄)など珍しいものを沢山いただく。

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しかし大須亭で飲み過ぎたこともあり、テイスティングの記憶が飛んだ。帰りの新幹線で読書していたが寝落ちし、品川で降りる時に読み掛けの本を置き忘れてしまうという失態を犯す。そんなことは滅多にないのだが。ある意味いい感じで酔っ払った幸せなクリスマスだったのかもしれない。

神田にて

この冬はカキフライをたくさん食べた。神田のやまい、というとんかつの店のカキフライが途轍もなくいい。少ししっかりした衣の中にはカキが3粒ぐらい使われていて、それが一つのカキフライになっている。ここの特ロースにカキフライを二つつけてもらって食べるのが最高の贅沢の一つ。やまいちはとんかつだけでなくかつ丼でも有名だが、実はカキフライが美味いということは意外に知られていない。

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京都にて

年末になって2017年初めての京都。2泊3日だったが初日は東京からの運転疲れで引きこもり、2日目の晩に満を持して出動。東山東一条のイタリアンでの夕食後、家人たちを帰して四条寺町から一筋西を下ったところにあるBar Rocking Chairへ。カクテルが有名な店だが、ウイスキーも充実。一番奥のカウンター席に座ったのだがその奥の窓際のテーブル席で向き合ってロッキングチェアで揺れているカップルがいて、ちょっと羨ましい(女性連れの男性が、というわけではないので念の為)。
入口左には暖炉があり、その前にもロッキングチェアがあった気がする。ゆらゆらと揺れる炎を見ながら酒を飲むのは本当にくつろげて贅沢だ。前にも書いたが。
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Glenallachie、Glen Elgin、Glenrothesと頂き、せっかく京都に来たので季の美で何かいただけますか?と伺い、やはり日本の香草が溶け込んだジンを味わうのでしたら、とお勧めいただきマティーニを。薄白くもやがかかったような絶妙な色合いの一杯を頂き、そのまま幸せな気持ちで帰ればいいのに、烏丸今出川の天下一品に寄ってしまう。

今は北白川本店をはじめどの店もセントラルキッチンで作られたスープを使ってラーメンを供しているが、昔は少なくとも直営店では各々の店でスープを作っていて、私は今出川店の味が一番好きだった。改めて食べてみたけれどやはり他の店と同じ、今どきの味だった。しかし懐かしかった。

松阪・津にて

毎年恒例のお伊勢参りの途中で必ず寄りたいバーがある。津のBar Ambar。昨年は1946年蒸留のMacallanを頂いた。今年は何が頂けるか楽しみに、新東名から伊勢湾岸、東名阪を走って津へ。だがその前にもう一つのお楽しみ、松阪牛を食べに海津本店へ。

車で行って飲めないと寂しいので、津から近鉄に乗って30分ほどの松ヶ崎、という無人駅へ。そこから伊勢街道沿いを10分弱歩くと、巨大な海津本店の看板が出現。店もとても大きな和風建築、まるで大旅館。部屋に通されると今度は窓から大きな庭園が見える。なんだか凄い。

これまでは和田金とか牛銀にお邪魔していたけれど、地元の方はどうやら海津に行くらしい、と言うのを聞いてこちらにやってきたので期待も高まる。確かに松阪の中心部からは離れるので、観光客がこちらに来るというのもなかなか難しい。

家族3人で焼肉定食1人前とすき焼き定食2人前を注文。焼肉定食というと1000円ぐらいでお釣りが来そうな感じがするが、お値段8600円也。なぜかすき焼き定食の方が100円だけ高い。部屋に火鉢があって、そこに炭を敷いて網の上で仲居さんが肉を焼いてくれる。結論から言うと、こんなに旨い焼肉を食べたのは石垣島のやまもとで焼肉食べて以来2回目。正直びっくりするレベル。その後食べたすき焼きもただ柔らかいだけでなく肉の旨みが強く伝わって美味しかったが、焼肉だけずっと食べても幸せだったかもしれない。焼肉はレモンスライスの浮いた特製のタレにくぐらせてから網焼きにする。一人前わずか4切れだが、満足度は非常に高い。あまり火を通さずにすぐにレアで頂くので下手すると肉だけなら3分ぐらいで完食できるかも。時速20万円弱。次回は予約して200gのステーキとか食べるともうとろけるしかなくなるような気がする。

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そしてまた津まで戻り、家人をホテルに帰してBar Ambar(アンバール)へ。1年ぶり3回目。

今年の目玉はSpringbank Millennium Editionの50年だった。昨年の訪問もマスターに覚えていただいていた。改めて思うが、この店のオフィシャルのオールドボトルや限定ボトルの在庫には圧倒される。日本でこんなに残っているところは他にあるのだろうか、というレベル。マスターにそう言うと、「いやー田舎なんで頼む人があんまりいないんですよね」とのこと。実はワインもそうでして、とおっしゃるので見せていただいたのが97年ペトリュス。そろそろ飲まないとまずいんですけどね…でもラベルにラップを巻くのを忘れていたのでカビが生えてしまって、とのこと。ワイン好きな方にとってはラベルが重要なので、ラベルが傷んだペトリュス飲む人はあまりいないのでは、とおっしゃっていた。今普通に店で買うと100万円近くしますが、ラベル痛んでいるので55万円でいかがですか?と言われてしまった。

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青山のバーラジオで修行されていた時代にウイスキーもワインも相当買われたそうだ。そして津で独立。東京だとウイスキー人口が多いのでバックバーの回転も速くなるが、津だとそこまで売れないので物凄いものが残っている。

Tullibardineの27年のオールド、おそらく60年代蒸留も印象に残る一杯。またGlen Albynも初めて飲んだ。

わざわざ東京から飲みに出かける価値は十分あると思う。来年も間違いなく来るだろう。

 

islaywhiskey.hatenablog.com

 

その他

年末に築地の宮川食鳥鶏卵店で1時間半並んで合鴨を買い、家で鴨鍋を食べたらあまりの旨さにはまってしまった。年末でなければそこまで混まない上、値段もバカ高くなく、家ですき焼きするのを一度スキップしてぜひ築地で合鴨買って鴨鍋食べてください。
鍋で鴨の脂を炒めてそこに1カップのみりんとしょうゆ、酒、お出しを半カップずつ入れ、煮立ったら合鴨、ゴボウのささがき、セリ、ネギ、焼き豆腐と麩を入れてゆずの皮を削るだけ。とても簡単に幸せな気持ちになれる。京都の鞍馬口駅前の鞍楽ハウディに入っている鶏楽で真鴨を買って合鴨ではない本物の鴨鍋作ったがそれも美味だった。

そして築地のもう一つのおすすめは大政のタコ。友人が某有名イタリアンレストランでのクッキングスクールに参加した時、築地でどこで何を買ったらいいかを教えてもらえるツアーにも連れて行ってもらい、タコはこの店で間違いない、と聞いて来た。築地でタコを売っているところはあっても、タコを塩もみした後茹でているのはこの店だけ。手間がかかるだけあって本当に旨いとのことで、レシピを見ながらリゾットとタコのガーリックソテー作ったが本当に旨かった。

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今年は自分で作るほうもより頑張ろうかと思っております。

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