エストニアの熱海? パルヌでサウナの巻
ヘルシンキからフィンランド湾をフェリーで渡ったところにあるエストニアの首都タリン。そこからバスで2時間ほどまっすぐ南下するとビーチとスパで有名なリゾート地、パルヌがある。
東京でたとえると海もあれば温泉もある熱海もしくは伊東に行くイメージ。
遠浅の海、青い空、いいところだ。夏至の頃から7月終わりまでは混みあうそうだが、最低気温が10℃台前半にもなる8月終わりはご覧のように人はまばら。気温は晴れて23℃程度。
街の中心部からまっすぐ海に向かってタクシーで1000円ぐらい、歩いても15分ぐらいのところ、迎賓館のように立派なアプローチのHedon Spa and Hotelがありそちらに2泊お世話になった。
今回の旅の中で最もゴージャスなサウナ。どうやらロシアやドイツなどから裕福な夫婦が夏休みに来るようなリゾートらしい。
写真のクリーム色の建物がスパ棟。この中に屋外・屋内プール、サウナがある。ホテルの部屋から水着の上にバスローブはおってスパへ。その恰好でホテルのロビーを通ってもスパホテルなのでOK。サンハトヤのようだ。大分違うけど。
綺麗なジャグジーでは若いカップルからおばあちゃんの集団、お年を召したご夫婦など様々な方がのんびりぬるま湯につかっている。
こちらはちびっ子プール。
この扉の奥にサウナがある。用を足しているようなピクトグラムがちょっとおかしい。
恐らく温度は85-90℃程度、電気ストーブ。2段に分かれていて上段に8人も入ればいっぱいになりそうだ。サウナ好きの小学生のいる我が家チームと他の家族が鉢合わせることはあったが基本空いている。
サウナストーブに近づき、自分の好きなだけロウリュしたあと急いで最も湿度と温度が高くなる入り口近くのサウナ室の角に移動、熱波が頭の上から耳たぶをいたぶりつつ襲ってくるのを楽しむ。ここはマットではなく外側においてあるタオルを敷くのがマナー。
あまりに耳たぶが熱いと耳を手で覆う。サウナハットをかぶっている人はフィンランドでもエストニアでもついぞ見かけなかった。
そして体中の毛穴から汗が出てきて小さな玉を作り、それが大きくなって重力に耐え切れず滴り落ちていく。耐えきれなくなったらサウナを出てすぐ横にあるシャワーブースに向かい、白い縄を引っ張って巨大な桶に入っている冷水を頭からかぶるのが最高に気持ちいいのだ!
縦型の洗濯機のドラムぐらいの大きさの木桶の中に、キンキンに冷えた水が入っていて、白い縄を勢いよく引っ張ればそれが塊のように頭の上に降り注ぐ。0.5秒ぐらいの滝行体験。でも水圧と冷たさで一瞬息ができなくなる。
初めの頃は一気に縄を引いて一気に水をかぶっていたのだが、ゆっくり縄を引いて冷水をちょろちょろと少量ずつ長い時間かぶって体を冷やすのも悪くないことに気が付いた。
問題は桶が大きいために前の人がザブーンとかぶった後で水が溜まるまで時間がかかること。水風呂がないのでこの桶の水をかぶるのが必須で、「もうそろそろ限界だー」というところまで引っ張ってサウナ出ようと思ったらさっと他の人が先に出てしまい桶の水を使われてしまった時の絶望感たるや半端ない。特にフィンランドやエストニアでは水風呂がないので、この滝行をしないとととのわない。
日本でも恵比寿や五反田みたいな水風呂のないサウナはシャワーだけじゃなくて桶もつければいいのに、と思う。
でも水をかぶっている自分を想像して、昭和の話で申し訳ないが「オレたちひょうきん族」のひょうきん懺悔室みたいだな、と可笑しくなった。昔のビートたけしはカッコいいね。
ひょうきん懺悔室
冷水を浴びた後は屋外のプールに行き、外気に当たってととのう。湿度の低い風がゆるゆると吹いてきてとても気持ちがいい。ちなみにプールの水温は28度。
サウナと屋外プールの間には簡単なカフェがあり、外気浴しながらアイスクリーム食べたりビール飲んだりカクテル飲んだりできる。レストランからハンバーガーを持ってきてもらってビール飲みながらプールサイドでくつろぐ、などもできてリゾートホテルならでは。
そしていい感じにととのえば部屋に戻って昼寝しても良し、さらに徒歩3分の海まで行って海水浴しても良し。いいところでした。
以下おまけ。
タリンからパルヌに行くバスはいまどきの飛行機のイケてるエコノミークラスのように快適で、トイレやwifiはもちろんUSB端子、モニター画面までついている。
タリンのバスターミナルは街の中心部からちょっと離れたところにある。バスターミナルは治安の悪そうなイメージだけど、タリンもパルヌもめちゃ綺麗で安全。ベンチで横になっていたらガードマンみたいな人が注意して回っていた。
窓口のおばちゃんは英語が通じる。パルヌはPärnuと書くのだが、「パルヌ」行のバスのチケットを、というと「ペルヌ?」と聞き返されたので「ア」と「エ」の中間ぐらいの発音で「パエルヌ」というとエストニアの人に通じやすいのかもしれない。
こちらが英語でも表示の出る自動券売機。私は使わなかった。事前にHPで予約しておくのがお勧め。1時間に1本ぐらいパルヌ行きのバスが出ているが、朝早い便は満席になっていた。
バスは自由席ではなく、チケットにさりげなく座席番号が書いてあり、バス車内にもさりげなく座席番号が書いてあるのに注意。
タリンのバスターミナルには昔のバスがぴかぴかに磨かれて飾ってあった。ナンバーもついているし内装もきれいなので、そのまま走れるのかもしれない。濃厚なソビエト社会主義共和国連邦風味がエモすぎる。
エストニアは1991年までソビエト連邦の一部だったこともあり、建物もロシア風味が強い。
小樽とか弘前で見る洋館って、実はロシア風味だったことに今更ながら気が付いた。
リゾート地の割に物価は比較的安く(東京の8割ぐらいのイメージ)、食べ物もおいしいし、レストランもとてもおしゃれだし、のんびりするにはいいところでした。冬は人がいないそうなので念のため。
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