東京ウイスキー奇譚

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

クアラルンプール The Whisky Bar KLにて

今年の私の夏休みの目的地は青色の航空会社が決めてくれた。休暇の予定は決まっていて、そのタイミングで貯まったマイレージで予約できるところを探したらクアラルンプールになった。マレーシアは初めて。消去法的に決めた旅行だけれど積極的に楽しんでとてもいい休暇だった。

日本人も相当食にうるさいと思うが、マレーシア人の食へのこだわりはそれ以上かも。マレー人、中国人、インド人などが暮らす多民族国家ということもあって食べ物もバリエーション豊富、若い人が夜中過ぎてもみんな楽しそうに屋台で串焼き食べたり中華料理食べたり果物食べてる。この写真は真夜中前のアロー街。まだこんなに人が出て屋台で色々食べている。
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中華料理は他の国のそれと比べて味付けが控え目で食べ飽きない。そして食べ物の値段が日本の半分もしくはそれ以下。食いしん坊の私には天国のようなところだ。

f:id:KodomoGinko:20180824144648j:plainマレー語少し理解できるようになっておきたいな、と思ってYoutube見ていたら、調子はどう?というのと同じ意味で「食事食べた?」と聞くという。ほんまかいな、と思ったのだけれどそれぐらい食べることを重視する人たちらしい。分かる気がする。

イスラム教の国なので酒をがんがん飲む文化ではないのだと思うが、しっかりウイスキーも飲むことができた。

家族旅行先で一人バーに出かけるのは一般的にはなかなか難しいと思うのだが、我が家ではそれなりの理解があってクアラルンプールでの夕食後に家人だけホテルに帰して二日連続で飲みに出かけた。そのまんまの名前のWhisky Bar KLというのをググって見つけ、2晩ともにお世話になった。

バーやレストラン、クラブが集まっている六本木の芋洗坂みたいな感じの通りにある大箱の路面店で、外からガラス越しに店内が見える開放感のある店構え。ステーキハウスも併設されていて、閉鎖的な雰囲気かつこじんまりとした店が多い東京のモルトバーとは相当趣きが異なる。

一人でふらっと入って、テーブル席に通されそうになったのでカウンターに座らせてもらえないかとお願いする。バックバーも相当な量があり、それ以外にもテーブル席の壁際には所狭しとボトルが飾られている。クアラルンプールまで来て何飲むか、というチョイスがなかなか難しい。物凄く悩んだ結果、一杯目はアジアの銘柄がよかろうということでKavalanをいただくことに。せっかくなので珍しいものを、とバーテンダーにお願いしたところ、ちょっと高いけどいいかと言われて出てきたのがKavalan Solist Fino Sherry Cask。
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アルコールのアタックが若干強く、湿った薪、松脂と松葉を燃やしたような煙がプルーンの香りとともに伝わってくる。味はメイプルシロップ、ホイップクリーム、ナツメ、加水すると口の中で劇的に立体感を増す。これは旨いわ。

大箱なのでバーテンダーはカクテル作ったりウイスキー注いだりで忙しそうだったけれど、カウンターの私に他のKavalanのボトル持ってきてくれて違いを説明してくれ、それぞれの香りを試させてくれた。

正面のバックバーはオフィシャル中心で、ボトラーズ物は離れた壁際におかれているので見えず、そこそこ分厚いメニューを見せてもらう。再びクアラルンプールでどれを飲むべきか時間をかけて悩み、マイナー系蒸留所で飲む人あまりいなさそうで割安に放置されたものを探す。そしてOMCのGlen Elgin、1985年蒸留24yoを注文。これはショットで1500円ぐらいだったのではないか。ラベルのくたびれ具合から口開けしてから何年も経っているのではないかと思うが状態は悪くない。この手のいい感じで枯れてきているバーボン樽熟成のスタイルは本当に好き。

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2日目は夕食後に一人になり、Bukit Bintangの良心という店で全身マッサージを60分やってもらってからまたWhisky Bar KLへ。9月の第一週に湘南オープンウォータースイム2.5㎞があり、9月末には村上トライアスロンにエントリーしているので休み中も海やプールでがっつり泳いだり走ったりしていて筋肉が固くなっているのをほぐしてもらってからのウイスキー。良心は他の店よりも高いけれど(とは言え1時間で85リンギット、2500円ぐらい、普通は65ぐらい)、清潔で上手でなかなかよかった。

残念ながら2日目はカウンターが満席。テーブル席でオールドファッションドをまず注文。忙しいバーテンダーに構ってほしいわけではないけれど、どのバーボン使ってどう作っているのか見られないのは寂しい。多分Knob Creekだと思うのだけれど、バーボンにはからきし弱いのでわからない。でも美味い。

f:id:KodomoGinko:20180825001435j:plain二杯目はMaltmanのGlenlossie、97年蒸留16yo。ツイッターでフォローしている人たちが東京でGlenlossie祭りを開催しているので何だか羨ましくなってクアラルンプールから参戦。テーブル席なのでボトルの写真も撮れず、誰も私が参戦したことを知らず完全な自己満足の世界だが、旨ければそれでいいのだ。

そしてようやくカウンター席が空いて移動、またマイナー系割安放置銘柄を選んでクーパースチョイスのDailuaine92年蒸留21yo。

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マイナー過ぎるのか、私の発音が悪いのかわからないけれどダルユーインと言って伝わらないので悲しくなった。まあElginやLossie、Dailuaineばかり頼む人は東京でもそんなにいないと思うので仕方がない。これも私が好きなスタイルで、こういうのが安く飲めるクアラルンプールはありがたい。

軽井沢の種類が20種類以上あったりしてそういうのが好きな人にはたまらないのかもしれないが、私はちょっと違う選ぶ楽しみをこの店で見つけた気がする。マイナー系割安銘柄発掘の楽しみ。なかなかいい体験だった。

バーウイスキー飲んでいるマレー人はほとんどおらず、中国系、西洋人、日本人が多かったような気がする。やはり宗教が人々の行動形態に及ぼす影響は大きいのだろう。

マレーシアは中国系の観光客が多いせいかトラベルリテールでのウイスキーの品ぞろえがかなり充実していて驚いた。カラフルなパッケージのPulteneyを眺めていると目に楽しい。

f:id:KodomoGinko:20180825093815j:plainGlenlivetもMacallanも充実している。値段は日本より少し割安かものによってはちょっと高い。LivetのMaster Distiller's Reserveが220リンギット(1リンギット27円ぐらい)、Macallan Rare Cask Blackが2000リンギット弱。

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日本で正規輸入元で売り切れになっているものを狙って買うのがいいのかもしれない。この辺のオフィシャルは残念ながらあまり飲んでいないので正直相場観が全くない。

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ランカウイ島ではすべてのものが免税なので、しょぼい土産物屋にしか見えないところでも酒のバラエティだけは異常に充実していてギャップに驚かされる。ウイスキーのラベルを眺めているだけで30分ぐらいは簡単に過ぎるので、家族がショッピングしている間にお父さんだけ手持ち無沙汰、なんていうありがちな展開にはならなくて済むのでいいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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