母を訪ねて三千里@代々木公園 Tullamore
秋の連休、家族と代々木公園へ。家からわたしはジョギング、家人とムスメはそれぞれ自転車。ムスメのお目当てはヒマラヤ杉の実、というか杉ぼっくり。松ぼっくりとは違ってバラの花のような形をしている。
公園内にはいくつかヒマラヤ杉のあるポイントがあって、一つはバラ園の近く、一つはサイクリング場の近く。バラ園で結構な量の杉ぼっくりを拾い、1km近く離れたもう一つの穴場へ。わたしがランニングするのにムスメが自転車で追いかけてくる。そしてムスメがどこで杉ぼっくり取れるか知っているので、案内してくれる。
杉ぼっくり拾いをしながら後ろから来るはずの家人をまつのだが、なかなか来ない。家人は穴場がどこか知っているはずなので、拾いながら待っていたら来るはずなのに。困ったことに携帯の電池が切れてしまっている。ランニングする格好だったので、油断して家の鍵も財布も持ってきていない。だから、家人の携帯に公衆電話から電話することも出来ない。「お母さんこないねえ、どうしたんだろうねえ」とムスメが言う。少し不安になってきたらしい。
そうこうしているうちに日がどんどん陰ってくる。小一時間ぐらい待ったのだが来ないので、薄暗くなった公園を後にして家に帰って待つことにした。
日は暮れてしまい、薄着のムスメがさむいさむいと言う。わたしは走り、ムスメは自転車で家を目指す。家の前に着いたが家の電気が付いていない。インターフォン鳴らしても出てくる気配もない。
家人が途中でいなくなる理由がない。けんかもしてないし、ただ一緒に公園で杉ぼっくりひろってみんなで遊んでいただけなのに、お母さんどうしたんだろうね。そういうとムスメは不安になったらしく、我慢していたのだがとうとう泣き出した。なんでおとーさんは鍵も財布も持たずにでかけたの?さむいじゃないの。
じゃあこうしよう。タラモアに行って、電話貸してもらってお母さんに電話しよう。あそこなら寒くないし。タラモアって?あの、いつも行くビール屋さん。でも行きちがいになったらどうしよう?うーん困ったな。紙もペンもないし。
というわけで苦肉の策で作ったメッセージがこちら。
杉ぼっくりでメッセージ。これならお母さんこれ見てタラモアに来てくれるよ。そういうとムスメも納得し、早くタラモア行こう、という。
そしてまた店までランニング。ムスメの小さな自転車を店頭に置かせてもらい、店に入るといつもの通りいらっしゃい、Rちゃんこんにちわ、とムスメにも声を掛けてもらう。
えーと、ちょっとお願い事があるんですけど。家人とはぐれてしまって、財布も持っていないし携帯の電池もなくなっちゃったので、電話貸してもらえますか?家の前で待っていたんですけど、帰ってこなくてムスメが寒がっているのでお店に来ちゃいました。
店の電話借りて嫁の携帯に電話したら、ようやくつながった。どうやら公園の中で自転車の前輪がパンクして、前を走る我々に向かって叫んだらしいのだがその声は届かず、我々は杉ぼっくりの穴場めがけて一直線。仕方がないので公園の近くの自転車屋さんでパンク修理して貰ってちょうど終わったところだったとのこと。
家人が合流するまで、わたしは角ハイボール、寒がっていたムスメはホットミルクを飲んで待っていた。この店はキャッシュオンデリバリーなので、一瞬ツケで吞ませてもらったみたいなものか。そして嫁が合流して一件落着。一連の経緯を店のユカさんに説明したら大受け。わたしはお代わりのPeat's Beastのソーダ割りを楽しく飲む。そしてそのまま家族で牡蠣の燻製のオイル漬け、牛肉のビール煮込み、チキン&フィッシュ&チップスを食べておうちに帰りましたとさ。