東京ウイスキー奇譚

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

最近伺ったバーなど: 有楽町キャンベルタウンロッホ、池袋クエルクスバー他

最近伺ったバーその他を備忘録的にまとめておきます。

有楽町 キャンベルタウンロッホ

仕事中に腹が減ったのでデスクで軽い夕食を取り、9時半ぐらいに仕事を終えて会社を出た。さてどうしよう。食事する気にはなれない。さくっと飲んで帰りたい。さあどこへ行こう、と思い、久しぶりに有楽町のCampbelltoun Loch、キャンベルタウンロッホさんにお邪魔した。今思い返すと、真っ直ぐ家に帰るという選択肢もあったのに、なぜ思いつかなかったのだろう、ああ不思議不思議(棒読)。


店がこぢんまりとしていて6人も客が入れば閉所恐怖症気味の私が圧迫感を覚える感じなので、長居せずにさくっと飲むには丁度いい。そしてバックバーが恐ろしく充実。限られた時間で充実した時間を過ごすにはぴったりだ。お勘定もクオリティの割に超良心的。

Caydenhead'sのAllt-A-Bhainne22年と他にもう一杯頂いて、「最後にアイラで締めたいのですがおすすめを」と言ったらSestanteのCaol Ila14年、おそらく70年代終わりから80年代初めのものが出てきた。
上手い感じで枯れてきているものの、骨格を失ってはおらず最後にかけて香りが立ち上る。これは素晴らしかった。

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隣で飲んでいた巨漢のモルトマニアのおじさんも「こんなのこの値段で飲めないよ~」と言っていた。3杯飲んで1新渡戸稲造、じゃなかった1樋口一葉。ここは引き続き凄かった。また行こう。

 

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銀座3丁目 日比谷バー ウイスキー

最近は仕事が遅いことが多く、家で夕食を摂ることをすっかり諦めていて家人にもそう言ってある。そこで会社と自宅との間にある、食事が出来てウイスキー飲める店を調べていたらこの店を発見。

銀座を独りでウロウロするにはまだ早い、と自分では思っていたが、よくよく考えるとあと1ヶ月もすれば四捨五入したら50だよ。そろそろ自主規制を解禁しないと徘徊老人in銀座になってしまう。会社からも近いし。ということで地下鉄出口から銀座松屋方面に向かってすぐのところにある日比谷Bar Whisky-sに行ってみた。

最近行くバーはほとんど個人経営的なところばかりで、いつもの感じをイメージしてドアを開けたら「いらっしゃいませ」と複数の声をかけられてちょっとびっくりする。結構な大箱。ウェブではわからなかったが、メニューを見てサントリー直営店だと気づく。スコッチもサントリー1社提供的な品揃え。なので1杯目はタリスカーソーダ、と決めていたのに叶わない。

おすすめはウイスキーソニック、というウイスキーとトニックとソーダを1:1:1で割ったものとのこと。そちらを頂くものの、やはりタリスカーソーダを飲みたかった気分は満たされず、Laphroaig10年のソーダへ。オールドで同じ10年があるので飲み比べてみませんか、と言われ、3杯目はストレートで。ソーダとストレートを飲み比べるのはなかなか難しい。90年代の10年か。瓶熟したものの方がやはり丸い気がする。
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一口で食べられるように切られたカツホットサンド、燻製が効いていてそして食べ応えもある。それをつまみながらピートの効いたウイスキーを啜るのも悪くない。

その後Balvenie、白州の93年蒸溜の10年物、山崎の90年代蒸溜のものなど頂いて退散。ちなみに誕生月に来るとすべての飲み物が半額だそうだ。一度来店してメンバー登録し、ジャパニーズウイスキーのレア銘柄を飲みたい人と誕生月に一緒に来るとよいのでは。

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allabout.co.jp

 

神宮外苑 森のビアガーデン

家人と地下鉄に乗って散歩に出掛け、四谷を通りかかると迎賓館に人の群れが。そういえば一般公開始まっているのかも、と見に行くと見学できるという。券売機でお一人様1000円払い、中に入ろうとすると後ろで何かもめている。

どうしたのかな、と思いながら子どもの手を引いて中に入ろうとしたが、「クレジットカードでは払えないのか、ここまで来たのに」と英語で言っているのが遠くに聞こえた。確かに円の現金しか券売機では受け付けていなかった。海外からの観光客だって見学に来るのだから、観光立国目指す国策に沿ってクレジットカード使えるようにせいよ宮内庁、と思いながら行き過ぎようとした。が、さすがに自分がエディンバラ城に見学に行った時、ポンドの現金の持ち合わせが少なかったので追い返されて見学できなかったら悲しかっただろうな、と思い、券売機のところまで戻った。

アジア系のアメリカ人のおじさんと係員が話している。「ドルを円に両替してもらえないか?」と言われ、係員がブロークンな英語で無理だと言っている。見かねて声をかけ、「10ドル持っているのなら私の1000円と交換するよ」と言うと、20ドル札しかないという。私も1000円札1枚しか持っていない。彼は「いいよ、1000円と20ドル交換しよう」というが、流石にそれはないので家人を呼んでもう1000円手に入れ、無事に物々交換。彼はそれで入場券を買うことが出来、喜んでもらえた。

おじさんはピッツバーグから来たという。どこに住んでいるの?と聞かれたので東京だよ、と答える。おじさんはどうやら私がアメリカからの旅行者で、ドルを受け取っても問題ないアメリカ人だと思ったらしい。日本人だと分かったら恐縮していた。でも彼もアジア系で、ペットボトルを入り口で回収されそうになった時に片言の日本語を話していたのでもしかしたら日系人かも知れなかった。

それはともかく、迎賓館凄い。凄すぎ。何が凄いって、ぱっと見西欧の宮殿の模倣のようにしか見えないのに、よく見ると屋根の上に甲冑乗っていたりする。それも鹿の角付きで。

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喩えて言うと、日本のことが大好きで仕方がない欧州の一国の王様が自分の国に紀州から上質の木材を輸入してきて名古屋城そっくりの城を建てて、シャチホコの代わりにマーメイドの銅像つけた、みたいなそういうノリか。あんパンとか欧風カレーとか中華そばとか日本で独自の進化を遂げたものは沢山あるが、そういうアレンジが上手なのだろう、我々も我々のご先祖様も。って欧風カレーってヨーロッパにはカレーないんですけど。

内部も楽しく見学したが撮影禁止なのでご紹介できない。裏庭も美しかった。

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そして見学を終えて東宮御所の脇を青山一丁目交差点に向かっていたら、娘が喉が渇いたと訴える。御所の横には自動販売機なんかなく、私も何か飲みたくなったので神宮外苑の森のビアガーデンへ。

台風のせいで天候が安定せず、外で飲むのにはあまり向いていない日だったにもかかわらず昼飲みしている人たちが結構いた。我々もあくまでも散歩の通過点、な訳でがっつり飲むつもりはなかったが、痛風予備軍のため控えていたビールをどうしても飲みたくなる臨界点に来ていたのでかまわず行っときました。一番搾り東京づくり。でも作っているのは横浜は子安にある工場。

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ビール会社の方に伺うと、一番旨いのは樽生ではなくて瓶ビールとのこと。そしてここは一番搾りのアンテナショップ的な存在でもあるので、ここで飲む一番搾りは不味い訳はない。

私はキリンラガーが好きだったのだが、最近キリンの決算説明資料を見たらビール類の販売数量ベースでいわゆる「なんちゃってビール」が6割、一番搾りが24%で残り11%が「その他」。

かつての基幹ブランドキリンのラガーは「その他」の中の一つ、に成り下がってしまったようだ。なんだか残念。そしてラガーではなく一番搾りで暑い日に喉の渇きを癒すビールを満喫。

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池袋 クエルクスバー

ググれカス、でもなく、某商社が会計操作していると指摘したグラウカス、でもなくクエルクス。オークのことだ。先日おバカな映画を見に来て以来の池袋。金曜日の夜9時半過ぎ。帰宅方向と逆ではあるがとんでもなく遠回り、というほどでもない。

東口を背にしてしばらく歩くと、豊島区役所の解体現場があってすぐその先のビルの地下。入っていくと先客がカウンターに4名、テーブルに2名。カウンターの一番端に陣取る。一杯目はタリスカーソーダ。あっという間に飲んでしまった。旨い。脇を見るとボトルキープされたウイスキーが棚に置いてあり、飲んだことのなかったTullibardine(タリバーディン)とお店のコラボボトルがあったのでそれをお願いしたが残念ながら品切れ。同じくお店と蒸留所とのコラボのMacduff2007年を頂く。蒸留所の名前はMacduffだが、売られるウイスキーの名前はGlen Deveronの時もある、という珍しいパターン。お店の14周年記念のボトル。

バックバーはカウンターから少し距離があるのでラベルがよく見えなかったが、オフィシャルだと限定物が多く、あとはボトラー系。

3杯目はLinkwoodの27年、Whisk-Eが入れた限定物。ジャケ買い。サソリのラベルがかっこいい。84年の蒸溜。最後にいい感じでパフューミーになる。ブルゴーニュのピノの熟成されたものを飲んでいるよう。
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店に入った際に一人でカウンターに立っていた30代前半ぐらいに見えるお兄さんと世間話やウイスキーのあれこれの話をしていて盛り上がる。声が低くてよく通る、多分カラオケ行ったらみんなを感心させるタイプの人。この方がてっきりオーナーさんかと思っていたらそうではなかった。

お兄さんにアイラのウイスキーを締めに飲みたいのですが、といって出してもらったのがBunnahabhain(ブナハーブン)。Led Zeppelinのアルバムデザインみたいなラベル。かっこいい。ピート焚いてないながらもしっかりピーティ。仕込み水の段階でピートの茶色が入ってますから、アイラの場合。これも旨かった。加水するとより強く感じる、という出来の良いウイスキーにありがちなパターン。 

そしてぼちぼち帰ろうかな、と思っていたらオーナー登場。いいウイスキーばかり飲んで頂いて、とお礼を言われて、こちらこそいいもの飲ませて頂いてありがとうございます、と思う。

イチローモルトもいくつか置いてあって、ジョーカーがあったので凄いですね、というと肥土伊知郎社長のご実家が十条にあり、よく秩父から池袋に飲みに来られるので置いてあるのだそうだ。また最近では北欧からの観光客がよく来るらしい。1杯5000円とかでも飲んでいく、という。そりゃ我々もアイラに行ったらアイラでしか飲めない高いウイスキーがあれば、金に糸目つけずに飲みますよね、と言ったら確かにそうですね、と笑っていた。

ソサエティーから日本限定のBowmoreでいいのが入ったので是非飲んで帰ってください、と言われ、先ほど締めの一杯をお願いしたんですけど、と苦笑すると、それだけの価値はあるので是非、と強めのプッシュを頂く。そこまで飲食業の方がおっしゃられることはあまりないので、これは本当に希少な旨いものを勧めて頂いていることもがよく分かり、頂くことに。マンゴーの甘い香りが強いBowmoreなんて飲んだことなかった。最近オフィシャル飲んでも全然感心しないのに、何これ凄い。ピートと甘みの絶妙な調和。やはり人の言うことは聞いた方がいい。 

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都合5杯飲んで、諭吉と漱石が仲良く一人ずつ出て行った。クオリティ考えると安い。変な六本木のバーで飲むのの3分の2か半分ぐらいか。また池袋にも来ないと。

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渋谷 Caol Ila

渋谷Caol Ilaでこの前初めてAuchroiskを飲んだ。読み方分かります?正解はオスロスク。旨くてその場で携帯から同じボトルを早速購入。

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そして昨日、倉敷の酒屋からブツが届く。ちなみに包装で緩衝材に使われた新聞は山陽新聞。渋い。BBRの復刻ボトルの見た目が好きなのだが、今のボトルも決して悪くない。ロイヤルワラントもついてかっこよい。BBR日本法人が入れたボトルだが、BBRが日本でウイスキーのインポーター業務から撤退した際に処分したもののように思われる。当時は相当安く投げ売りしたのではなかろうか。今となってはお宝だ。

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これもいつ口開けしたらいいのか悩む。10年ぐらい忘れたままにしておいてもいいかもしれない。