東京ウイスキー奇譚 Islay Whisky’s blog

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 その1 その2 その3
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

アイラ島 初日

アイラ島初日。旅に出て4日目。

朝9時15分までに100マイル離れたKennacraigというところまで行ってアイラ島行きのフェリーに乗らなければならず、朝6時半に朝食を取らずグラスゴーの宿を出発。天気は雨。チェックアウトする際に尋ねると、天候は回復しない、とのこと。

 

薄ら寒い雨の中、Audi A4 TDIを駆ってのドライブ。ディーゼルエンジンの車に本格的に乗るのは初めてなのだが、凄く気に入る。低速域からのトルクが太く、加速もリニアなので安心感が強い。気がつかないうちに相当スピードが乗る、ということが何度かあった。8速のATも好印象。思ったよりもエンジンブレーキが効かず、2速まで落とさないといけないのはディーゼルの特徴なのか、そういう味付けにしているからなのかはよく分からない。


日本で言うところの高速道路的なところではなく、県道のようなところを2時間45分で160km走って行く。最初はレンタカー借りるつもりではなかったのでバスの時刻表を調べたのだが、バスでも3時間5分で着くというので2時間45分は楽勝かと思ってた。途中の街でゆっくり朝食とったりしていたら後半時間がなくなってフェリー乗れないかも、と焦り、田舎道をかなりアグレッシブなドライブ。


イギリスのドライバーって気合い入っている人がやはり多い。どれぐらい気合い入っているかというと、喩えるなら伊豆スカイラインぐらいの道幅のハイウェイを時速80kmで走っていても後ろから追い越される、というぐらい。でも交通マナー自体は悪くない。20年落ちぐらいのメルセデスのC270 TDIが前を走っていて、トラックに引っかかった後で追い越して行った後を追っかけたのだが、雨の中踏んでも踏んでもなかなか追いつかない。


借りたアウディは走行3000マイルぐらいのほぼ新車。S Lineなので見た目もカッコいい。シートは座面だけファブリック、それ以外は革。夏に短パンで運転すると革シートに太もも張り付いて気持ち悪いから、これもアリかも。アウディ独特の革の香り。カーナビが冴えないこと以外はエンジンも含め超気に入った。悪天候の中のドライブでも全然怖くない。クワトロではなくFFのはずだけど。燃費のいいディーゼルエンジンで四輪駆動のフリクションロスを相殺、という考え方のパッケージはどうだろう?そもそもTDIを日本に入れる予定はあるのだろうか?


フェリーの最終チェックイン時刻まであと10分、というところでようやくターミナルに到着。これを逃すと午後1時まで待たなければならず、それも車を乗せられるか分からないので肝を冷やした。

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そしてフェリーに乗ってアイラ島へ。フェリー乗っているうちに天候は回復。2時間の船旅、全然揺れず。とても快適。

正午すぎにポートエレンで船を降りるのだが、上陸する前にLaphroaigが見え、さらにケルンから煙が上がっているのが見え、テンションが上がる。

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上陸して西に進み、まずArdbeg(地元の人はアールベッグと発音していた)のOld Keln Cafeでランチ。B&Bのオーナーのジムも「あそこのランチは美味い」と勧めてくれた。港から10分ほどのドライブ。その途中にはLagavulinとLaphroaigがある。

 

早速ウイスキー飲む。Ardbeg Uigeadail。Ardbegっぽいガツンとした強さ。バーボンバレルとシェリーバットのバッティング。アイラに来た感じがするというものだ。

 

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そしてArdbegでの3時半からの蒸留所見学の予約をして、来た道を戻ってLaphroaigの1時からのツアーに。

Laphroaigに着いた時には空は綺麗に晴れ上がっていて、真っ白な蒸留所の壁と芝生の緑、咲き乱れる花とそしてきらきら光る穏やかな海のコントラストが本当に美しい。
キルンからはピートを焚く独特の香りが漂い、薄い白煙が上がっている。うーん、アイラっぽいぞ。

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Laphroaigのツアーはオススメだ。フロアモルティングもやっているし、ピートを焚いているところも見せてくれてストーブの中にピート入れさせてくれたりする。ピートが赤々と燃えているストーブの中に手を突っ込んでみろ、と言われる。躊躇しながら手を入れると、全然熱くない。ピートに含まれる水分のせいで白い煙は立つものの、熱くないというより上昇気流のせいで風が起きて手が冷たくなるぐらい。ただ煙で燻された手は、例の香りが。

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その後発酵、蒸留などの過程も何も隠し立てすることなく見せてくれて写真もOK。一生懸命おじさんが1時間大きな声で説明してくれる。でもスコットランドの人の英語なので、かなり聞き取りづらい。スコットランドの女の人の英語はわかりやすいのだが。この男女差は一体なんなのだろう。

ちなみにツアーに参加した人数は15人ぐらい。イングランドやドイツ、ベルギーからなどなど。英語分からないとつまらないかも。


Ardbegは1970年代に栄光の時代を迎えたが、1980年には潰れかかり、その後経営者を変えて現在はLVMH傘下に。創業200年になるものの、途中で操業を止めていたこともあって古いストックがなく、20年物などは作れない。フランス、アメリカ、日本、ドイツ、スウェーデンへ輸出していてスコットランドでは売られていないとのこと。製造過程でも効率を重視しているように聞こえるところが何箇所かあり、ピートの香りの中に資本主義の匂いがわずかにした。(Ardbegの名誉のために言っておくと、マッシュタンはステンレスのものではなくて手間の掛かる木材を使っていた)

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アイラ島にはイギリスでお馴染みのラウンドアバウトも一箇所もなく、信号もない。だから、というわけではないが飲酒運転も自己責任、という感じで「車で来ているのでやめときます」というと「ふーん、そうなの?」という感じになる。どこかの国の警察がやりそうなことだが蒸留所近くで飲酒検問でもやろうものなら超大漁となるに決まっているが(ちなみにBowmoreのすぐ近くには警察署がある)、まったく予感すら感じさせない。Drink responsibly。飲むなら自己責任で。


LaphroaigArdbegで試飲させてもらい、謎の交通手段でB&Bへたどり着く。ポートエレンからどこまでもまっすぐな一本道を経てボウモア中心部に向かい、教会の手前を鋭角に折れて2分ほど行ったところに宿があった。草原の丘の上にポツンと立つ建物がこれから二晩過ごす宿。

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オーナーのジムさんが出迎えてくれる。お互いに自己紹介。ジムは22年間イギリス陸軍に従軍していて、湾岸戦争にも行った、とのこと。全然そうは見えず、熊のプーさんみたいなお話好きのおじさん。島の良さを一生懸命説明してくれる。
アーチーという5歳の男の子も出てきてくれた。うちの娘とさっそく一緒に遊び始める。言葉が通じないのに二人で楽しそうだ。


ディナーはHarbour Innにて。ジムがプジョーで送ってくれる。カキが食べたいのだがメニューにない。ウイスキーは昼間結構飲んだので、白ワインにしようと思ったが、アイラエールを試したくなって禁ビールの誓いを今日だけ破る。でも一杯だけで白ワインに切り替えた。なかなかロマンティックなレストランで、味も悪くない。ちょっと割高な気もしたが、エディンバラの物価の高さに慣れてしまうとなんということはない。


8時過ぎにジムに電話して迎えを頼むがつながらなく、少し街を散歩。街を見下ろす教会まで来たら電話がかかってきて拾ってくれた。たくさん動いた一日が終了。天気に恵まれていて本当にありがたい。