東京ウイスキー奇譚

こだわりが強すぎて生きていきづらい40代男性の酒と趣味への逃避の記録

ウイスキーの聖地アイラ島訪問の詳細は以下のリンクから。
訪問記 アイラ島 初日 2日目 3日目
蒸留所写真  Ardbeg1 Ardbeg2 Laphroaig1 Laphroaig2 Bowmore
アイラ島写真 
アイラ島への旅行についてのアドバイス エディンバラ2日目  グラスゴー

  

渋谷ロックバー  道玄坂ロック

モルトバーにて散々いいボトルを飲ませてもらって気持ちよく酔っ払い、次の日のことを考えたらそのまままっすぐ家に帰ればいいのに、つい寄ってしまうバーがある。

渋谷の猥雑な一角にある雑居ビルの5階。私がそのビルの中にある怪しげな店に直接向かうと勘違いして客引きがエレベーターに飛び乗ってきたことが何度かある。自分の成績にしようとしたかったらしい。エレベーターのドアが開くとバーの扉は目の前。

バー「道玄坂ロック」。カウンター6,7席、テーブル席2つのさほど大きくない店。通常はお酒が置かれているカウンターの後ろにはレコード棚とオーディオ、JBLのスピーカー。カウンターの外にも物凄い量のレコードがある。バックバーはカウンターの外。その隣には1960年代製と思しきGibson Firebirdが飾ってある。

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店主は(とても)愛想がないので驚くかもしれないが、心配する必要はない。あなたにだけ愛想がないわけではないので。そこそこ訪問しているはずの私でも世間話などしたことがない。

こういうお店のウイスキーはスタンダードなものしかない場合が多いのだが、このバーには山崎12年、余市10年や旧ラベルのラフロイグ18年などウイスキー好きがみたらニヤニヤしてしまうようなボトルが置いてある。この3つは在庫がなくなれば終わりだろう。私はたいていラフロイグ18年かタリスカーやエライジャクレイグのソーダ割をオーダーする。ストレートで頼むとテイスティンググラスに入れてくれるのも、この手のバーではあまりないので嬉しい。
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お通しには木の器に入ったピスタチオが出てくる。カウンターでピスタチオの殻を割っていると、手持ち無沙汰な感じがしなくなるのでありがたい。きれいに割れたり、なかなか割れなかったり。そもそもウイスキーととても相性が良い。

この店は客が自分の好きな曲をリクエストできる。レコードは数千枚あるぞ。CDも12000枚ぐらい。厚さが10センチ近くあるカタログには邦楽洋楽と時代を問わず大抵のものが乗っている。Robert Johnsonから松田聖子からプロディジーメタリカまで。そして目の前においてある紙に自分の聴きたい曲を書いて、店主に渡すスタイル。紙を渡した途端に握りつぶされくしゃくしゃにしてポイ捨てされるが、そんなことでめげてはいけない。

流れている音楽がレコードからのものだと壁にそのジャケットが飾られる。CDからだとプロジェクターでジャケット画像が壁に映る。

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まあこれも「ジャムパンが好きかカレーパンが好きかで喧嘩するな」のたぐい、人の趣味の問題なので私が口を出すことではないのだが、店にあとから来た客はしばらくどんな曲がかかっているか確かめてから、比較的ジャンルの近い自分の好みの曲からリクエストするのが好ましいと思う。他のお客さんや店主の趣味やその時の気分をリスペクトするという意味で。

しばらく待ってみて自分の趣味寄りの曲がかからない時は、他のお客さんのリクエストがないときを狙って自分のリクエストをお願いするのが無難なように思う。私がそうしているだけだけれど。

ちなみにキリンジのエイリアンズをリクエストすると自分の手書きのリクエスト用紙の写真が「本日のエイリアンズ」としてTwitterに晒されることがあるので注意。

 

普通の尺度で言うと居心地いいサービスのバーとは言えないのだが、スピーカーの前に座って自分のリクエストをレコードからかけてもらって聴くと、そんなことはどうでもよくなる。

JBLのスピーカーはやたらと音の分解能が高く、録音のいいレコードだと、ストラトキャスターやファイアバードのピックアップからアンプにケーブルで突っ込んだそのままの生の音が突き刺さってくる。目の前でライブを見ているかのよう。
先日Johnny WinterのLiveから1曲目、「Good morning little school girl」を掛けてもらったのだけれど、ツインギターの左右のセパレーションもくっきりしていて臨場感が素晴らしくうっとりした。
CDよりもむしろレコードの方が音質良く感じる。ぜひカタログからレコードを選んでかけてもらってほしい。

何度か来ると分かるが、いつ来ても恐ろしくきれいに掃除されており、いつものものがいつもの場所にきちんと置いてある。レコードの棚も乱雑になっているところを見たことがない。

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そして禁煙というのも私にとってはありがたい。店の奥には喫煙スペースがあるようなので愛煙家の方も困ることはないだろう。私は行ったことないので知らんけど。

壁にはアルバムジャケットが映し出されていないときはクルマで都内や沖縄、タイなどを流しているときの車窓からの風景が映る。川崎辺りを走っている映像だったとしても何だかぼうっと見入ってしまうから不思議なものだ。

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音楽が好きな人なら一度は行ってみてほしい。いい音で自分の好きな音楽が聴かれるモルトバーには残念ながらまだ出会ったことがない。自分がバーをやるならこれぐらいのこだわりを持ちたい。自分のリクエストを掛けてもらったあとに井戸さんが私の好みの延長線上の知らない曲を掛けてくれるとただ愛想良くしてくれるだけがいいサービスではないことがよくわかる。

 

 

 

 

 

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私がウイスキーのネガティブなコメントをしない理由

先日信濃屋さんのお招きで台湾のボトラーAqua Vitae(アクアヴィッテ)のAllen Chenさんによるテイスティングイベントに参加した。「自分の好きなオールドスタイルのウイスキーはなかなか見つからないので気に入ったものを自分で詰める」「味や香りが開くまで手間のかかるオールドのボトルを気軽に飲めるようにしたい」というコンセプトで始めたという、比較的若いボトラー。40歳前後だろうか。
「好きなボトルが世の中にあまりないのだったら自分で探して詰めてしまえ」、というのはウイスキー好きの夢。それをお仕事にされているのは本当に羨ましく、既にウイスキーブーム真っ只中の2015年から始めたのにどうやって蒸溜所とコネクションを作ったのかとかいろいろAllenにお伺いできて楽しかった。

Allenと会えた以外にも沢山の有名なウイスキーの飲み手とご一緒できてそちらも大変いい刺激になった(もちろん信濃屋の方々ともですが)。
真剣な飲み手と様々なボトルを飲み比べるうちに、やはり人によって知覚と好みの違いがなぜ生まれるのかという普通の人には当たり前すぎてあまり考えないかもしれないことについて改めて考えてみるいい機会になった。

色んな国の人に「どの色が一番好きですか?」と聞いた答えが国によって全然違う、という調査結果は興味深い。青がどこの国でも圧倒的に一番人気なのは水と青空がないと人間は生きられないという事実を反映しているのかもしれない。最近自分が青いネクタイばかり持っていて、バイクも青でクルマも紺で、ということに気づいて「もしかして俺ってアオレンジャー?」と不安に苛まれていたのだが、世界にアオレンジャーはたくさんいることがわかって少しほっとした。
アジアの国にはなんとなくキレンジャー(含む茶色やオレンジ系)が多い気がする。
国の差だけでなく同じ国の中の男女の差も大きいらしく、アメリカでは40%の男性が青が一番好き、と答えたが女性は24%、イギリスでは40%対27%だそうだ。日本人の答えはないのが残念だが青ではなくて白が一番多いらしい。

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民族が違うと一番好きな色が違う、というのは直感的に納得できるが、同じ日本人同士でも「あなたが見て一番落ち着く色はどれですか?」と10人に聞いたら答えはかなりばらけるだろう。私は緑を見ると一番心が落ち着くが、あなたはオレンジを見てそう感じるかもしれない。
また同じ色を見ていても、私の色味の感じ方とあなたの感じ方が全く同じものとは限らないし、たぶん違う。だから「落ち着く色はどれ?」みたいな質問で人によって答えが異なるのだろう。それを証明するのは極めて難しいと思うが。


それと同様に、同じウイスキーを飲んでも私が感じる味と、隣の人が感じる味は間違いなく違うはず。味覚・嗅覚のインプットに対するセンサーの性能は人それぞれだし、感じたものを分解する能力は人によって異なるだろう。虹の色を7色だと思う人と、5色や9色だと思う人がいるように。

味覚・嗅覚などの知覚情報をポジティブに受け止めるかネガティブに受け止めるかは記憶や経験ともリンクしているはずだ。子供のころにコーヒーやビールをどう感じたかを思い出してほしい。それらの記憶や経験は、当然私と隣の人では全く違うだろう。

またウイスキーというかお酒特有の問題もある。遺伝的にアルコール耐性の高い人はアセトアルデヒドに果実香のような甘さを感じるかもしれないが、耐性がないもしくは低い人は同じアセトアルデヒドを嗅いでも生理的に粘膜への刺激が強いために甘みというよりもアタックや辛さを感じるかもしれない。私は後者の傾向があることに以前Twitter上でいただいたコメントで気が付いた。

(少し話はそれるが、これが欧米人とアジア人(モンゴロイド)では好みの酒のタイプの違いがある理由であってもおかしくないし、台湾のボトラーのボトルが日本で受ける理由の一つなのかもしれない)

インプットを分析するセンサー性能も違い、感じた味覚や嗅覚を脳内で分解し整理する能力も人によって違い、そもそも同じものを飲んでもそれを旨いと感じるかどうかは人それぞれ。そしてその旨さを人に伝えるためにアウトプットする時のボキャブラリーだって人によって全く異なるのだから隣の人のテイスティングコメントが私のそれと一緒のわけがない。

人の好みについていうと、納豆を死んでも食べられない人もいれば大好きでいくらでも食べられる人もいる。私がジャムパン好きだからと言ってカレーパンが一番好きな人を非難しても何の意味もないし、「お前何でジャムパンみたいな食べ物好きなの?カレーパン最高なのに意味わからん」と言われても私の知ったことではない。

ソーピーな80年代ボウモアが好きな人がいても全くおかしくないけれど、私はソーピーなのはいろんな意味であんまり得意ではない。

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けれどソーピーなボウモアを好きな人が間違っているとは全然思わない。(写真は本文とは一切関係ありません)

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飲む順番だって味覚と好き嫌いに大きなインパクトがある。
ストレートで長熟の甘めのラムを飲んだ後にグレンドロナックみたいなシェリー樽熟成のウイスキー飲んでタンニンを強く感じて嫌いになってしまうかもしれないし、アードベッグスーパーノヴァ飲んだ後に加水のオールドのノッカンドゥー飲んだら水飲んでるようにしか感じなくてなんだこれは、と言ってしまうかもしれない。



それにキルホーマンよりもラフロイグが好きで、ラフロイグよりもアードベッグが好きで、アードベッグよりもラガヴーリンの方が好きだったとしても、ラガヴーリンとキルホーマンの二つが並んだ時に100%ラガヴーリン選びますか?と聞かれると自信ない。自分の中での評価軸が一つしかないわけではないということだろう。時と場合によってどの軸を使うかは異なるように思われる。

というわけで、私はあるボトルを試して自分の好みに合わなかったとしても、自分のセンサーの性能がそもそもポンコツだったかもしれず、飲む順番や体調が悪かっただけかもしれず、口開け直後で固かっただけかもしれず、バーに行く前におにやんまで食べた冷やし鳥天うどんの鳥天にかかっていたコショウが強すぎただけだったかもしれず、池袋の蘭州ラーメン屋の羊の串焼きのクミンが酒を飲まないムスリム向けの味付けでウイスキーに合わないだけだったかもしれず、自分の意見はマイノリティで他の人はこのウイスキーをおいしく思うかもしれないぞ、と思うようにしている。

仮に同じものをその場で居合わせた数人で飲んで評価が低かったとしても、最初に評価をした人のネガティブな評価に引きずられたり、エコーチャンバー効果でちょっとのネガティブがすごくネガティブになってしまうことだってあり得る。誰かが褒めちぎっているボトルを「あんまり気に入らなかったんだけどな…」と思うことはあっても褒めちぎっている人に面と向かってそう言わないのと同様に。

だから自分の味覚の絶対的な正しさに強い確信を持てない私のような人間が、バーでネガティブなことを言ったりずっと残ってしまうかもしれないブログだのSNSだので否定的なことを書くというのはちょっと違うかな、といつも思っている。反対に美味しかったときは声を大にして言っておりますが。

 

私にとってウイスキーは楽しい時間を過ごすための手段であって目的ではなく、極論すると居心地悪いバーで美味いウイスキー飲むよりも居心地いいバーで普通のウイスキー飲む方がいい。こういうと「お前は真のウイスキー好きではない」と言われそうだが、否定はしない。

私は飲んだウイスキーの悪口をわざわざ言ってその場の雰囲気を悪くしたくない。自分の好きなウイスキーの悪口を隣の人が言いだしたら楽しく飲めないから。そのボトルを選んだインポーターやそれを買って客に出したバーテンダーにも申し訳ないし、その場に居合わせたお客さんでそのボトル前回来た時に飲んでおいしいと思った人も気分を害するかも、と思ってしまう。

もちろん私と考えが違う人がいても別に非難するつもりは全くない。ジャムパン好きとカレーパン好きが喧嘩して意味ないのと一緒なので。

私がバーに行く理由の一つは試してみたいボトルがさまざま置いてあるから。
クオリティの高いボトルを日本に引っ張ってきてくださるインポーターさんにはとても感謝しているし、自分が飲んでみたいボトルを私の代わりに買ってくれてさまざま飲ませてくださるバーは超ありがたい。

様々なボトルを入れればハズレもあれば好き嫌いの分かれるボトルもあるだろう。だけどいろいろ入れなければ大当たりを引く可能性も下がってしまう。そしてインポーターさんやバーはある程度ボトルを売り切らなければならないのも事実。そうでなければ商売が回らないし、彼らがつぶれてしまえば私は困ってしまう。それを考えれば飲んだ一杯が仮に気に入らなかったとしても私はあれこれ言わずに黙っていたいし、ネガティブなことを人前で言いきるほど自分のセンスに自信もない。

(ただし私があるボトルについてコメントしなかったからと言って必ずしもそれが好みではない、ということではないので、念のため。気に入ったのに酔っぱらってしまい記憶が飛んだ、とか飲んでて楽しくなってコメント書くのがめんどくさい、とか普通にあります)

ちなみに先週金曜日に飲ませていただいたAqua Vitaeの中でとても気に入ったのがブナハーブンとグレンキース。もちろんこれも異論は認める。1989年蒸留の28年のブナハーブンは度数が落ちてとても口当たりがスムース、70年代のハイランドのウイスキーのように骨格がしっかりとして崩れない。華奢で綺麗な上品なクリームの中にブドウがいるタイプ。グレンキースはマクヴィティビスケットのクリーム味を思わせるバーボン樽熟成の王道タイプ、そもそもキースは好きだしこのスタイルは一番好き。
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今度Allenが60年代っぽいエステリーなオールド感のあるボトルで気軽に飲めるものをリリースしてくれたら最高だ。ムチャ言うなという話かもしれないが。
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金曜日の20時半から1時間、という営業ゴールデンタイムにJ's Barさんを貸切にして太っ腹に飲み放題、という色んな意味でゴージャスなイベントだった。
信濃屋の(あ)さんとJ's Barの蓮村さんへの私の気持ちとして上記のAqua Vitaeのボトル2本とJ's Barと信濃屋銀座店のジョイントのグレンファークラス、イーグルボトルを注文することにした。(あ)さんメールお待ちしております!(笑)

 

 

皆様の清き一票のお願い

 

ところで奥様、別のサイトに「長野・山梨でウイスキーの蒸溜所と聖地を巡る。東京から1泊2日の小旅行」という記事を書きました。

白州蒸留所、マルス信州蒸留所に行き、松本にある伝説のモルトバー「摩幌美」さんを訪問した内容をまとめた記事です。駒ケ根のArikaさんというバーもよかったな。

皆様にたくさんアクセスしていただくことによって、新しい蒸留所や各地の伝説的なバーを巡って(サウナでも食い倒れでもよいのですが)記事を書かせていただく機会を再び頂戴することを虎視眈々と(?)狙っております。

いつも読んでくださっている皆様、こちらちらっとクリックするといつもよりマジメなわたくしの記事が読めますのでよろしくお願い申し上げます。かしこ。



  https://welove.expedia.co.jp/destination/japan/47576/

 

好きなバーの条件

Twitterの質問箱に「好きになるバーの条件」というお題をいただいた。

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Twitter上でお返事しようかと思ったが、140字では言葉が足りなくなりそうなのでこちらに書いてみる。

最近とある媒体にウイスキーやバーについての記事を書いてくださいと頼まれたので、どう自己紹介書いたらよいか悩んで、過去12か月間に自分がどれだけバーにお金を落としたかカードの明細見て調べてみた。結構いいバイクが買えるぐらいだった。東京以外のバーを訪れるための旅費なども入れるともっと膨らむ。それをここしばらく続けている。それぐらいバーで飲むことには思い入れがある。

そもそもなぜバーでわざわざ金払って飲むのか。
家には自分好みのボトルが結構な本数開いている。
静かでゆったりとした自分のスペースで、本を読み好きな音楽を聴きながらお気に入りのグラスで酒が飲める。タバコの煙を気にすることもない。

それなのにバーのカウンターの、大抵あまり座り心地の良くない椅子に座って飲む。「これだったら家で飲んだほうが良かった」と思うこともごくまれにあるが、自分の好きなバーに行って飲むのは基本いつも楽しい。

ではどんなバーを好きになるのか、と聞かれるとまず初めに頭に思い浮かぶのがバーテンダーの顔。バーテンダーをリスペクト出来るかどうかが一番大きい。

リスペクトというといろんな切り口があるが、まず知識の広さ、深さ。
最近キャンベルタウンロッホで飲んでいて、グレンファークラスがどのようなサイクルでいい樽を使いまわし、どの樽詰めのビンテージが当たり年なのかという話を中村さんからお聞きしたのがすごく面白かった(詳細はあえて伏せるので、興味ある方は有楽町行って聞いてみてください!)。

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こういう情報は実際に現地によく足を運ぶ人だけが知っていてウェブに転がっているようなものではないので、こういう話を聞けるのはバーならではだな、バーに来てよかったな、と思う。

そして記憶力と表現力。
「このボトルどんな感じですか?」という質問に対しバーテンダーが的確な記憶力と表現力でイメージを飲み手に伝えることができ、実際に飲んでみた感じがそれに近いと「やはりプロはすごい」、となる。店にある相当数のボトルのそれぞれについてしっかりイメージを持っているなんて、そして口開けの時の印象だけでなく、開栓してからの香りと味の変化についても語れてしまうなんて本当にすごい。
自分の家にあるボトルについて、他人にどこまでしっかり説明できるかというと正直あまり自信がない。それも自分が好きで何度も飲んでいるボトルなのに。

新橋のキャパドニックの原子内さんは過去に自分が飲んだ同じビンテージの別のボトルと比べてこのボトルはこうだ、というところまでしっかり教えてくれる。さすがプロ。リスペクト。
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そして観察力も重要。
「このボトル上手くバーボン樽の甘みが乗っているのですごくオススメです!多分お好きだと思うんですよね…」(私が微妙な表情→察し)「あ、そういえばこの前これ飲んでいただいてましたよね」的な観察力と機転。こちらとしては「いやそれこの前飲みました」とか超ストレートに無粋なこと言って場を気まずくしたくないので、黙っていても気づいてもらえると本当にありがたい。
記憶力も観察力も残念なバーテンダーの場合、熱いボトル推しトークを何度も聞くことになり、上手く角が立たないように断るのに仕事の時のように気を遣って疲れるので足が遠のいてしまう。

あとは自分の知らなかった世界を見せてくれる提案力。
「たぶんこれお好きだと思いますよ」と勧められて飲んだ、まったくノーマークだったボトルがめちゃくちゃ自分好みだった時は、自分の知らない世界を教えてくれたバーテンダーに心から感謝したくなる。家で飲んでいると自分が知っている世界だけで完結してしまい、自分の知らなかったことを知ることは基本できない。未知の知というか、自分の知らない世界がありもっともっと素晴らしいものに出会える機会があるという当たり前のことをバーで教えてもらえると、大げさだが生きる希望が湧いてきて本当に有難く思う。今は北京に行ってしまったけれど、渋谷のカリラとポットスティルにいた元永さんはこの意味で凄かった。
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さらに言うと、技術が卓越していること。
例えば最も有名なウイスキーベースのカクテルの一つマンハッタンは、ウイスキーとヴェルモットをステアしてビターズを数滴たらすとできるという単純なレシピのはずなのだが、家で作ったのと銀座ゼニスの須田さんが作ったものでは全然味が違う。
もっと言うとウイスキーソーダで割っただけのハイボールでもバーで作ってもらった方がたいていの場合美味い。
やはりバーテンダーの技術は単純な飲み物を作ってもらうとすごくよくわかる。
鮨とか天ぷらとかと同様にカクテルも基本はおうちで作るものではない、というのが最近達した結論で、やはりプロの技というのは尊敬に値する。
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リスペクトできるバーテンダーがいるというのはそのバーを好きになるために非常に重要なことだと思う。

お客さんがバーテンダーをリスペクトしている店では、バーテンダーが他のお客さんの相手をしているときは自分のグラスが空いても客は自分のオーダーを聞いてもらえるタイミングが来るまで大人しく待っている。それがバーテンダーの仕事に対するリスペクトだから。

そしてちゃんとしたバーテンダーは客が気を遣っていることに気が付いていて、何も言わなくてもすぐに次の一杯を何にするか聞きに来てくれる。それによってお互いをリスペクトする関係が成立する。そして隣にいるお客さんもそれを見て同じような気遣いをする。

だが客が店に気を遣ってもそれに気づかないようなバーテンダーがやっている店はたいてい店が荒れる。
自分に声がかかるのを待っている客がいるのに気づかず、何も考えずに「すみません!」と声掛けする別の客をバーテンダーが先に相手してしまったりすると、お行儀よく自分の番が来るのを待っていた客がバカバカしくなって店に気を遣わなくなる。
そして悪循環が起きてどんどん店が荒れていく。
人からリスペクトを受けられないのに一方的に人をリスペクトするというのは人間の感情の上では非常に難しい。

そういう「言ったもの勝ち」「声のでかいもの勝ち」みたいな、世の中でありがちだけれど自分の理想とは程遠いことが起きる場所にわざわざ金を払って行く理由を私は持ち合わせていない。仕事なのであれば百歩譲って我慢するけれど。仕事を終わった後の自由な時間でそんなことが目の前で普通に起きるようなところにわざわざ金払ってまでいたくはない。

だからリスペクト出来るバーテンダーがいる店が好きだ。そんな店では「金払っている客が一番偉い」みたいな勘違いした人はほぼいない。

 

 

 

 

 

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最近食べた茶色い食べ物をひたすら上げていくスレ その3

前回から1年4か月ぶりですが、「最近食べた茶色い食べ物をひたすらあげていくスレ」その3となります。美味いものはたいてい茶色いのだ。あんまり茶色くないとかそういうことは言わないようによろしくどうぞ!

横浜中華街 南粤美食(なんえつびしょく)

先日土曜日の夜、予約なしでふらっと行ってみたらたまたま入れて超ラッキー。
今度放映される孤独のグルメシーズン8の初回に登場するようなので、しばらく再訪できないだろう。

黄ニラと貝柱の卵炒め。

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空心菜と牛肉の炒め。

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海老雲吞麺。

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伊府麺。上に乗っているのは多分エビの卵。

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二階の席に通されたのだが、奥の円卓にいたベトナムフェス帰りのアイドル好きな「おおきなおともだち」8人連れが、紹興酒が来ると「あさはらサイコー!しょうこうしょうこう」とかここでは書けないような下ネタを尋常じゃない声のボリュームでずっと言い続けているので年頃のムスメを連れたトーチャン的にはやや切れ気味。

こういう伊府麺は他ではなかなか食べることができないので食べられてよかった。黄ニラと貝柱の卵炒めや牛肉と空心菜の炒めなど、特段手の込んだ料理ではないのに滋味深いのはすごい。海老雲吞麺は独特の粉っぽさがB級グルメ的でよかった。

 

 

大阪梅田阪急東通り 美舟(みふね)

梅田から歩いて5分ぐらいのところに昭和を煮詰めたようなお好み焼き屋がある。

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中もこんな感じ。一人席に座るのだが、狭すぎてまっすぐに座れない。f:id:KodomoGinko:20190911215934j:plain

小学校の机ぐらいの大きさのテーブル上に鉄板が置いてあり、そこでお好み焼きか焼きそばをいただく。

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こんな感じ。鉄板が暑く冷房も弱いので汗だくになりながらビールを飲み、粉物を食べる。

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こんな昭和を絵に書いたような店内に70年代のハードロックがかかる。大阪らしくていい店だ。 

 

小手指 うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋

ヌルヌル系嫌いな方はごめんなさい。小手指越後屋で琵琶湖産の天然ウナギを食べた。養殖ものと比べて大きさが半端ないし色も圧倒的に濃い。

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天然の中で一番大きいのを選んでさばいてもらった。
下の写真、上の深緑の飴色をしたものが天然もので、下の青っぽいのが養殖もの。まるで別の魚のようだ。

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開いてみると大きさの違いがさらに明らかになる。養殖ものはお重にきちんと収まるのが良しとされているのであえて大きくさせない、というオトナの事情もある。

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養殖ものもさっぱりしておいしいのだけれど、天然もののしっかりとした触感と味の濃さには叶わない。大きすぎるとうな重にならない上、天然もののしっかりとした弾力を楽しむために蒸さずに関西風に地焼きにしてどんぶりにしてもらって食べた。上の大きいのが天然、下の小さいのが養殖で食べ比べ。
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サステナビリティ的に問題があるのはわかっているのだけれど、美味しくいただきました。肝吸いの肝も半端なく大きい。

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本当に絶滅が危惧されるのなら供給が少なくなり、需要があまり減らないとするとどんどん値段が上がるはずで、そんな値段ならわざわざウナギ食べなくてもいいじゃん、という人が増えて結果的に市場原理に基づいて資源が保護されるはずなのに、「絶滅危惧種なのに安く食べられるので大量に消費されて絶滅しそう」ってのは矛盾以外の何物でもなく何かが根本的におかしい。ちなみに天然のウナギはさすがにいいお値段しましたがこちらは確信犯なので全く悔いはない。

 

 

池尻 THE BURGER SHOP

差別と非白人を心から嫌うどこかの国の大統領が今年の春に来日した際に千葉のゴルフ場まで出張ってハンバーガーを提供した店。メニューにはパテ2倍の特別なチーズバーガーが。

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この写真見て「この量は無理かもしれない」と怖気づき普通のアボカドバーガーをいただいたがペロッと美味しくいただいてしまったのでやっぱりトランプバーガー食べるべきだったかも、と反省。

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素敵な色白の和風美人がバンズとパテを焼いてくださったのだが、その方がオーナーだったそうだ。

それほど遠くないところに外務省の寮があるから、「あそこのハンバーガーだったらコーラとバーガーキングしか食べないエアリーヘアのおっさんでも機嫌損なわずに食べるやろ」と外務省の儀典担当が思いついて白羽の矢が立ったのかもしれない。おいしいです。

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担担麺ピリリ 神田店

水天宮前にある本店には何度か行ったことがあったが、神田店が出来たので行きやすくなり最近よく訪れる。汁なしの白ゴマと黒ゴマ、汁あり、成都式のすべてを食べたことがあるが白ゴマと成都式が好き。

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丁寧にちゃんと作られていて好感度高い。そして辛めで頼むと辣油と花椒胡麻のペーストのクリーミーさに負けない力強さで、食後に水飲むとめちゃくちゃ甘く感じて自分の舌が痺れていることがわかる。ただの水なのに。

そして麺の味わいが深いのがここのいいところ。胡麻の甘みに隠された唐辛子と花椒のカラシビを麺を噛みしめた甘さで中和したくなり、ついつい麺をがっついて食べがちなのだけれど、麺そのものが旨いので急いで食べてしまうにはもったいなく、よりじっくり味わうために食べるスピードを下げなければ、落ち着け俺、と自分に言い聞かせながら食べる。おいしいものを慌てて食べてもいいことないからね。

 

森下 桜鍋 みの家

東京らしいところで食事したい、と知り合いに言われたら皆さんどこに連れていくだろうか。
私は森下の桜鍋、みの家に連れていくことが多い。馬肉を食べられない人は神田の鶏すき、ぼたん。
どちらも風情ある木造建築。みの家は戦後に建てられたそうだが趣深い。

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靴を脱いで座敷に上がり、下足番のおじさんから木の札をいただく。そして広い座敷には座布団が敷かれていてそこで多くのお客さんと鍋をつつく。

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桜鍋のロース2人前。甘い味噌味で頂く。1人前2500円、馬刺し1900円なのでビール飲んで玉子とご飯で〆ても一人5、6千円程度。桜鍋も甘辛い味噌と相性がよくビールが進む。すき焼きのように玉子にからめて食べるのがすごくおいしい。最後のTKGも。
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リーズナブルなお値段で江戸の風情を色濃く感じられる、ある意味テーマパークのようなお店。東京にいるのであれば一度は行ってみるべきだと思う。丸の内線を淡路町で乗り換えて都営新宿線に乗り、森下の駅からすぐ。都心からのアクセスも悪くない。

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連れてきて感心しなかった人はこれまでいなかった。何度も来ているけれど来るたびに改めていいな、と思う。

 

 

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四谷 広東料理 嘉賓

この潔さを見よ。何の具も入っていない焼きそばを。ネギと生姜を油で炒め、その油で麺を炒めてオイスターソースで味付けした一品。それなのに何なのこの旨さ、反則反則~(ヨッピー風)っていうぐらいしみじみと旨い。
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細切りレタスのカニ肉、豚肉入り五目あんかけと雲呑スープを合わせて注文。ホワイトペッパーの辛さと蟹と豚、干しシイタケの味がしみ出したあんの甘さと旨みが混然一体となったところをシャキッ、パリッとした千切りのレタスが受け止めていてとても印象的。
雲呑スープに入っているレタスがスープとごま油の旨みを吸っているにもかかわらず硬すぎず柔らかすぎずとてもいい感じ。

薄味のスープと雲呑のエビのしっかりした味とのマッチングが素晴らしかった。

横浜中華街まで行かなくても、ここ四谷の嘉賓と三宿の新記で大体間に合うかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

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新潟の村上に一度訪問してみることを強くオススメします

先日また新潟の村上に行ってきた。たぶん6回目。そして自分がやっぱり村上が大好きなことを再確認。
去年は一人で行き、割烹 千渡里(ちどり)さんで食べたいくらご飯、お刺身その他があまりに旨すぎて一人だけこんないいモノ食べてしまったという家族に対する罪悪感がハンパなく、翌週末改めて家人を連れて再訪したぐらい。
 

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今年来てみたら昨年泊まったニューハートピア新潟瀬波は休館しているし、その並びにある温泉宿もいくつも競売にかかっていて明らかに寂れてきてしまっている。こんな素敵なところが寂れていくなんてこれはまずい。皆さんぜひ村上に行ってみてください!

ということで今から全力で村上の宣伝をします。

 

村上の魅力というと、

  1. 酒が美味い(〆張鶴、大洋盛の酒蔵がある)
  2. 米が美味い(新潟では魚沼、佐渡と村上の岩船のみ産地が名乗れる、きれいな水と寒暖の差によって食べ応えのある少し硬めのコシヒカリが育つ)
  3. 肉が美味い(コンクールで全国一に輝く村上牛)
  4. 魚が美味い(産まれ育った川に回帰する習性を利用したサケ漁の発祥の地)
  5. 美味い食べ物と酒を楽しませてくれるお店のレベルが高い
  6. 茶が美味い(日本の茶の栽培の最北端)
  7. 夕焼けが日本で十指に入るぐらいの絶景
  8. 温泉が気持ちいい
  9. 人が優しくて温かい

がすぐに思いつく。他にもまだたくさんあると思うが。

とりあえず分かりやすい例を挙げると、2(おいしいお米)と4(おいしい魚)と8(気持ちいがいい温泉)のコンボがこちらになります。

瀬波温泉 旅館はぎのやの朝のバイキング、地元のお米にイクラかけ放題」。

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最高か。炊き立てのほかほかご飯につやつやしたイクラ山盛りかけ放題だぞ。何たる贅沢。
それに7の夕日の美しさもついてくる。

はぎのやの8階大浴場から瀬波海岸に落ちていく夕陽と夕焼けがとても美しくて、露天風呂に入っていた私も含めたいい歳したおっさんたちがみんなため息ついて「いいところだなー」「心が洗われるわー」というぐらい。
マジで誇張抜き。風呂なので写メ撮れなかったことが悔やまれる。ちなみにはぎのやにはいい感じのドライサウナもあった。水風呂はないけれど。

ガチの夕陽マニアの方にはより海岸に近い夕映えの宿 汐美荘さんとか大観荘 せなみの湯さんをお勧めしておきます。

gurutabi.gnavi.co.jp

そして1と9のコンボ、美味い酒と優しい人の組み合わせ。

まず 日本酒「大洋盛」の蔵元大洋酒造がある。直近開催された関東信越国税局 酒類鑑評会純米大吟醸部門で186の蔵の頂点に立つ最優秀賞を受賞。

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こちらの和水蔵(なごみぐら)では20種類ほどのお酒を試飲でき、気に入ったものを手に入れることができる。そして大洋盛の歴史の紹介も。

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せっかくなので蔵でしか買えないものを頂けますか、とお願いして出てきたのがこちら。

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左側が蔵出し原酒、アルコール度数19度。試飲させていただくと日本酒の旨みと重厚さが凝縮されているにもかかわらずフレッシュさとアルコール度数の高さを感じた。

右は杉樽純米原酒。江戸時代はガラス瓶がなく、酒を大量に運ぶには木の樽に入れて運ぶしかなかった。殺菌性があることと香りのよいことから杉の樽が当時よく使われたため昔の酒は杉の香りがしたそうだ。それを再現して杉樽で熟成した後、せっかくの杉の香が飛ばないように瓶詰めしてから湯煎にする、という手間のかかったお酒。確かに枡酒でいただくときのように杉の香が漂う辛口の酒。

通常は原酒を熱交換器に通して70度弱に加熱してから瓶詰するのだが、急加熱するとアルコール成分が蒸発することで香りも失われる。
それを避けるために瓶詰めしてからゆっくりと酒を温め、瓶が割れないようにぬるま湯、常温、冷水を順に使って温度を下げていくという非常に手間がかかる工程を経て出来上がる。全部手作業だそうだ。当然大量には作れないので地元限定。ここでないと買えないものが買えてとてもうれしい。

実は和水蔵に着いたのは午後4時過ぎ、人気がないなあ、と思ったら和水蔵は4時で営業終了していた。実は大洋盛さんにお邪魔するのは初めてだったのでとても残念で、せっかくなので蔵の写真だけでもと思い自転車停めて写真を撮っていた。
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そしたらしごおわで駐車中の車の中にいた若い社員さんが出てきて、「明日トライアスロンですか?」と話しかけられ、そうなんです、村上好きなんで2015年以来ずっと参加しています、地震で被害でなくてよかったですね、とお話しした。
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その社員さんは自転車に乗られるそうで、過去にトライアスロンのリレーでバイクパートを走られたこともあるらしい。震度6の地震に襲われた村上だが、もっと北の山形県境の方はひどかったそうだが酒蔵はダメージ全くと言っていいほどなかったそうだ。

そんな世間話をしていたらたまたま和水蔵から別の社員さんが顔を出されて、「今まだもうちょっと片付けやっているので、その間せっかくなんで見ていきますか、裏口からでよければ」と言っていただいて、営業時間が終わってるのに蔵に入ることができた、というわけ。ありがたや。融通きかせてくれた社員さんに厚くお礼を申し上げて辞去。「トライアスロン頑張ってください!」と言ってもらう。

その後またバイクで〆張鶴の宮尾酒造へ。

新潟で最近開発された「越淡麗」という酒米を村上の田んぼで村上の水を使って育てて、村上の水で仕込んだまさに村上のテロワール、という酒を買うことができた。
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酒どころ、米どころの新潟なのに、これまで新潟の大吟醸酒兵庫県産の山田錦を使って作られていた。
地元の酒米である五百万石は、40%を超える精米には耐えられない品種で(おそらく水分含有量の問題で割れてしまうのだろう)、50%以上(米粒を半分の大きさになるまで磨く)と定められている大吟醸を作れなかったのだ。

そして今から15年ほど前、ついに新しい酒米「越淡麗」が新潟県農業総合研究所で開発され、地元の酒を地元の米で、という新潟の酒の造り手の悲願が叶ったのだ。

その新潟県産「越淡麗」を村上の田んぼと水で育て、村上の水で仕込んだ酒がこの「純米吟醸 越淡麗 原酒」。

地元のお酒屋さんと蔵元で昨年田植えから稲刈りまで行い、そのお酒屋さんにしか基本的に出していない貴重なお酒を手に入れることができた。

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香りはマスクメロン、シャインマスカット、口に含むとわずかな酸味と甘み、かつお出汁のようなアミノ酸の旨さが広がって切れ味よく消えていき、飲み疲れせずに食中酒にぴったり。

お酒を包んでいた紙には昨年5月の田植えから10月の稲刈りまで丁寧にお米を育ててきたことが分かる写真が載せられていて、テロワールにかける情熱が伝わってきた。米造りの詳細は蔵元HPをご覧ください。 

www.shimeharitsuru.co.jp

買わせていただくときに「これってテロワールのお酒ですよね、ホームページで見ました」といったら蔵の方が嬉しそうに笑ってくれた。「トライアスロン頑張ってください」とこちらでも応援してもらった。そして別の社員さんが「杉玉入れて撮りますよ」と言って記念撮影も。忙しいはずのに有り難い。

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大事なことなので言っておくと、こちらは日曜日は閉まっているので週末来たら土曜日のうちに必ず行ってほしい。営業時間は通常17時まで。 昨年訪問時の記事はこちら。

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  (こちらは原酒ではない「越淡麗」)


 

 

村上へのアクセスは、東京からだと高速道路で400km、上越新幹線と特急だと3時間強。魚沼の辺りを通るとたわわに実った稲穂が黄金色に輝いているのが見えてちょっと感動します。

高速道路はNexco東日本のETC車専用の周遊プランがあり、3日間新潟近辺の高速道路が定額で乗り降りし放題というお得なプランがあるのでご家族など少し多めの人数で行くならこちらがオススメ。

www.driveplaza.com

 

クルマだと朝東京出てランチに新潟に立ち寄ることをオススメします。新潟までは高速で3時間ちょっと、新潟に着けば村上まで40分ぐらい。

ランチは新潟のフェリーターミナルと魚市場のすぐ横、ピア万代の中にある回転ずし「弁慶 ピア万代店」が大評判。

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大人気のお店なので30分待ちは当たり前ですが回転が速い。早目の時間に行った方がいいが、番号札取って自分の携帯番号登録しておけば順番が近づいたら自動音声で電話かかってくる。
でも時間をつぶすのも簡単で、すぐ横にある地元の農産物や魚の直売所を覗いていると楽しいのであっという間に時間がたちます。

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ほうぼうが美味かったな。

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途中で城下町新発田によってもいいかもしれない。

以前村上を訪問した時の熱量高めのブログ過去記事はこちら。村上牛や村上のお茶、鮭について紹介してあります。

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あまり有名ではないけれど、10月や11月の連休の旅先の候補に村上を力強く推しておきます!新酒も飲めるし、これから食べ物美味しくなるしほんといいところですよ!!!

 

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フィンランド湖水地方でサウナキメたらキマりすぎて怖いぐらいだったの巻

ヘルシンキからベンツのA180dを借り出して北東に300㎞超走り、フィンランド湖水地方Hotel & Spa Resort Jarvisydanというところに来てみた。

 

フィンランドの高速道路はマナーが良く、交通量も少ないこともあってとても走りやすい。地方道に入ると至る所にスピード違反検挙用のカメラがあって制限速度を守らないとえらいことになりそう。

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途中には未舗装路だけどめちゃくちゃ路面状態のいい道があり、クルマ90km/hぐらいでスライドさせて遊んでたらウトウトしていた家人が起きて怒られた。フィンランドのラリードライバー速いの分かるわ。

f:id:KodomoGinko:20190911215354j:plainヘルシンキから3時間ちょっとでホテルアンドスパジャーヴィシダン着。国立公園でアウトドアスポーツするときの前線基地的施設。温泉ランド的な大きなスパも併設。気持ちのいいところだ。
下の写真で見えるコテージに泊まった。薪ストーブがあって楽しい。

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スパ施設はこちら。湖に面している。

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宿泊者以外でも29.9ユーロ払えば入れる。場内はとても充実しており綺麗。大小5つのサウナがある。下の写真は男子更衣室から出てきて窓から湖を眺めるの図。

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上の写真の左側にあるのが大きなサウナで、15人は軽く入れそう。ただし大きいだけあってロウリュしても熱波がなんだかマイルドで、物足りなくて水をかけまくったらサウナストーンの温度が下がって若干悲しかった。

写真は撮らなかったが、女子更衣室出入り口の近くに高さ1.2m、直径60センチほどの円柱状にサウナストーンが並べられている3人しか入れない小さなサウナがあり、そこでロウリュすると小さなサ室に物凄い水蒸気が上がるのでめちゃくちゃととのいます。
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そしてこの大きなサ室を出たところに例の超大きな桶から冷水かぶる、というのがあるのだ!

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冷水かぶった後はここのドアから外に走り出して目の前の湖にザッパーンと飛び込むことも可能。推定水温16度。

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最初は湖に飛び込むかどうしようか外気浴しながら悩んでいたのだが、二十歳ぐらいのビキニ姿の女の子がサウナから飛び出してきて湖に飛び込んでキャッキャ言っているのを見て、おっさんでも照れずに飛び込まないと、と思い人生初めてのサウナキメてからの湖ドッボーン体験ぶちかましました。

微妙にドヤ顔しているおっさんのセルフィー画像がこちらになります。水風呂と違って羽衣ができないので短時間でめちゃくちゃ身体が冷やされてととのうのが早い。

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交互浴がすんだら屋内外にベッドもあってうとうとできるし、二階に行くと無料でハチミツ入りの紅茶が飲めたりブドウが食べられたりする。もちろんビールも(有料)飲める。天気が良かったこともあり一日いてもぜんぜん飽きない。

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家族連れで楽しんでいる人たちがたくさんいた。自分で薪ストーブ焚くのとかはめんどくさいし、リゾート楽しみたいわ、という人はヘルシンキから足を延ばして是非どうぞ。下の記事のリンナサーリ国立公園に行くボートはこのスパリゾートから出ております。

 

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ちなみにフィンランド帝政ロシア時代にロシアの属国だった歴史もあり、ウイスキーというよりウォッカ文化圏であまりモルトバーがない。もちろんリベットとかモーレンジとかのオフィシャルボトルはバーに行けば置いてありますが。

ビールはみんなやたらと飲む。高速道路横のサービスエリア的なABCというチェーン店でピザ頼んだら、ピザ一枚にサラダバー、ドリンクバーがついてきて12ユーロぐらい。ドリンクバーではなんと自家醸造した黒ビールと普通のビールが飲み放題。普通ドリンクバーでビール出すか?それも高速道路のインターチェンジ降りたところで。

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まあみんなそれぐらいビール飲むし、お酒も強いということなのだろう。ちなみに長くて暗い冬のせいかアルコール中毒が社会問題になっているらしく酒屋で酒を買える時間が法律によって決められていて夜や日曜日には買えないし、酒税も高いそうだ。


せっかくフィンランドに行ってもヘルシンキだけではもったいないのでぜひ足を延ばすよう強くお勧めしておきます。

 

 

 

 

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エストニアの熱海? パルヌでサウナの巻

ヘルシンキからフィンランド湾をフェリーで渡ったところにあるエストニアの首都タリン。そこからバスで2時間ほどまっすぐ南下するとビーチとスパで有名なリゾート地、パルヌがある。
東京でたとえると海もあれば温泉もある熱海もしくは伊東に行くイメージ。

遠浅の海、青い空、いいところだ。夏至の頃から7月終わりまでは混みあうそうだが、最低気温が10℃台前半にもなる8月終わりはご覧のように人はまばら。気温は晴れて23℃程度。
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街の中心部からまっすぐ海に向かってタクシーで1000円ぐらい、歩いても15分ぐらいのところ、迎賓館のように立派なアプローチのHedon Spa and Hotelがありそちらに2泊お世話になった。

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今回の旅の中で最もゴージャスなサウナ。どうやらロシアやドイツなどから裕福な夫婦が夏休みに来るようなリゾートらしい。

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写真のクリーム色の建物がスパ棟。この中に屋外・屋内プール、サウナがある。ホテルの部屋から水着の上にバスローブはおってスパへ。その恰好でホテルのロビーを通ってもスパホテルなのでOK。サンハトヤのようだ。大分違うけど。

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綺麗なジャグジーでは若いカップルからおばあちゃんの集団、お年を召したご夫婦など様々な方がのんびりぬるま湯につかっている。
こちらはちびっ子プール。

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この扉の奥にサウナがある。用を足しているようなピクトグラムがちょっとおかしい。

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恐らく温度は85-90℃程度、電気ストーブ。2段に分かれていて上段に8人も入ればいっぱいになりそうだ。サウナ好きの小学生のいる我が家チームと他の家族が鉢合わせることはあったが基本空いている。

サウナストーブに近づき、自分の好きなだけロウリュしたあと急いで最も湿度と温度が高くなる入り口近くのサウナ室の角に移動、熱波が頭の上から耳たぶをいたぶりつつ襲ってくるのを楽しむ。ここはマットではなく外側においてあるタオルを敷くのがマナー。
あまりに耳たぶが熱いと耳を手で覆う。サウナハットをかぶっている人はフィンランドでもエストニアでもついぞ見かけなかった。

そして体中の毛穴から汗が出てきて小さな玉を作り、それが大きくなって重力に耐え切れず滴り落ちていく。耐えきれなくなったらサウナを出てすぐ横にあるシャワーブースに向かい、白い縄を引っ張って巨大な桶に入っている冷水を頭からかぶるのが最高に気持ちいいのだ!

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縦型の洗濯機のドラムぐらいの大きさの木桶の中に、キンキンに冷えた水が入っていて、白い縄を勢いよく引っ張ればそれが塊のように頭の上に降り注ぐ。0.5秒ぐらいの滝行体験。でも水圧と冷たさで一瞬息ができなくなる。

初めの頃は一気に縄を引いて一気に水をかぶっていたのだが、ゆっくり縄を引いて冷水をちょろちょろと少量ずつ長い時間かぶって体を冷やすのも悪くないことに気が付いた。

問題は桶が大きいために前の人がザブーンとかぶった後で水が溜まるまで時間がかかること。水風呂がないのでこの桶の水をかぶるのが必須で、「もうそろそろ限界だー」というところまで引っ張ってサウナ出ようと思ったらさっと他の人が先に出てしまい桶の水を使われてしまった時の絶望感たるや半端ない。特にフィンランドエストニアでは水風呂がないので、この滝行をしないとととのわない。

日本でも恵比寿や五反田みたいな水風呂のないサウナはシャワーだけじゃなくて桶もつければいいのに、と思う。

でも水をかぶっている自分を想像して、昭和の話で申し訳ないが「オレたちひょうきん族」のひょうきん懺悔室みたいだな、と可笑しくなった。昔のビートたけしはカッコいいね。

ひょうきん懺悔室

冷水を浴びた後は屋外のプールに行き、外気に当たってととのう。湿度の低い風がゆるゆると吹いてきてとても気持ちがいい。ちなみにプールの水温は28度。

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サウナと屋外プールの間には簡単なカフェがあり、外気浴しながらアイスクリーム食べたりビール飲んだりカクテル飲んだりできる。レストランからハンバーガーを持ってきてもらってビール飲みながらプールサイドでくつろぐ、などもできてリゾートホテルならでは。

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そしていい感じにととのえば部屋に戻って昼寝しても良し、さらに徒歩3分の海まで行って海水浴しても良し。いいところでした。

以下おまけ。


タリンからパルヌに行くバスはいまどきの飛行機のイケてるエコノミークラスのように快適で、トイレやwifiはもちろんUSB端子、モニター画面までついている。

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タリンのバスターミナルは街の中心部からちょっと離れたところにある。バスターミナルは治安の悪そうなイメージだけど、タリンもパルヌもめちゃ綺麗で安全。ベンチで横になっていたらガードマンみたいな人が注意して回っていた。

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窓口のおばちゃんは英語が通じる。パルヌはPärnuと書くのだが、「パルヌ」行のバスのチケットを、というと「ペルヌ?」と聞き返されたので「ア」と「エ」の中間ぐらいの発音で「パエルヌ」というとエストニアの人に通じやすいのかもしれない。  

 

こちらが英語でも表示の出る自動券売機。私は使わなかった。事前にHPで予約しておくのがお勧め。1時間に1本ぐらいパルヌ行きのバスが出ているが、朝早い便は満席になっていた。

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バスは自由席ではなく、チケットにさりげなく座席番号が書いてあり、バス車内にもさりげなく座席番号が書いてあるのに注意。

タリンのバスターミナルには昔のバスがぴかぴかに磨かれて飾ってあった。ナンバーもついているし内装もきれいなので、そのまま走れるのかもしれない。濃厚なソビエト社会主義共和国連邦風味がエモすぎる。
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エストニアは1991年までソビエト連邦の一部だったこともあり、建物もロシア風味が強い。

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小樽とか弘前で見る洋館って、実はロシア風味だったことに今更ながら気が付いた。

リゾート地の割に物価は比較的安く(東京の8割ぐらいのイメージ)、食べ物もおいしいし、レストランもとてもおしゃれだし、のんびりするにはいいところでした。冬は人がいないそうなので念のため。



 

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サ道

サ道

 

 

 

ヘルシンキ中心部のサウナ Allas Sea Pool

フィンランドエストニアのサウナを紹介していこうと思いますがまずは初級編、ヘルシンキ

ヘルシンキ中心部からすぐ、朝からサウナ入れる素敵スポットAllas Sea Pool。パブリックなサウナは午後からもしくは夜しかやっていないところが多い中で平日は6時半、土日でも9時からやっているのは貴重。素晴らしい。

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どれぐらい中心部かを日本で喩えると、皇居のお堀や道頓堀の一部がプールになっている、とか横浜山下公園氷川丸の横がプールになっていてそこを水着でうろうろしている、ぐらいのレベル。プール出て走って行ったらヘルシンキで最も著名な観光スポットの一つヘルシンキ大聖堂まで2分で着きそう。直線距離300mぐらい。下の写真の中央の塔が大聖堂。

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上の写真の左側、鮮やかな水色のプールがちびっこプールで淡水の温水。その奥、というか下の写真で見えているプールが海水そのままのプール。透明度は絶望的に低いが汚かったり臭かったりはしない。

人が歩いている方からプールを見た風景はこちら。観光フェリー乗り場からもマーケットからもすぐなので、人通りがめちゃくちゃ多い。おっさんの水着姿なんかわざわざ見たくもないと思うが。

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水温は15度。水温計に藻が生えているのが分かる。小さな魚もプールで泳いでいるぞ。水深1.8m。海泳いでいるのと基本変わらない。まあ何のためにあるかは言うまでもない。これ冬に飛び込んだら痺れるだろうな。

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もう一つメインの大人向けの水深1.6mの淡水・温水プール、こちらは1レーンがガチスイマー用、それ以外がゆっくりスイマーやちゃぷちゃぷスイマー向け。

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世界遺産に登録されている「スオメンリンナの要塞」行のフェリーが出ている港の横でフィンランド湾が見られる。プーチン大統領がちょうどフィンランド訪問していて前日スオメンリンナの要塞にあるレストランで公式晩餐会があった模様。
f:id:KodomoGinko:20190902181327j:plainサウナはもちろん屋内にある。そもそもはこの施設はその名の通りプールがメイン。基本はメンバーシップのスイミングクラブで、そこのサウナ使わせてもらっていると思っておけば間違いない。フィンランドだと冬の間運動しにくいだろうから、温水プールとかでみんな運動不足解消するんだろうと想像。

1回利用券14ユーロを入り口で支払い、手首にリボンのようなリストバンドを付けてもらい、センサーをゲートにタッチして入場。フィンランドではよくあるが、そのリストバンドで丸いボタンを押しこんでやるとロッカーがロックされる。

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サウナは水着のままでも裸でも構わない。最初は私も裸になっていたけれど、水風呂ならぬ海水プールに浸かりに行くのに全裸で行くわけにはいかず、脱いだり着たりがめんどくさくなってきたので海パン履いていた。

この物入れの下にあるトイレットペーパーのロールみたいな、一辺40㎝ぐらいの正方形のビニールシートをお尻の下に敷いてサウナに入るのがマナー。

f:id:KodomoGinko:20190902181357j:plainサウナ内部はこんな感じ。全裸のおじさんがいないタイミングを見計らってちゃちゃっと写真撮りました。入口のほかに港と海に面した窓があり、そこから景色をぼんやりと眺めていると時間がどんどん過ぎていく。f:id:KodomoGinko:20190902181345j:plainちなみにフィンランドでもエストニアでもサウナハットをかぶっている人は全くいませんでした。その代りサンダルは必携。みんなビーサン履いてサウナに入る。

ロウリュは超適当にバサーっと水かける人もいれば、ちょろちょろ時間かけてサウナストーブの中に水流し込んでいる人もいてまちまち。まあ鍋奉行みたいなロウリュ奉行が必ずいるのでお任せするのが間違いない。「ロウリュいいですか?」みたいな断りを入れることは基本なかった。

バケツの水がなくなったら気づいた人が入れるのもマナーっぽかった。私がサウナ室出る時にバケツ持って水入れて戻ってきてまた出たら、「おおよしよし」という感じでロウリュ奉行に褒めてもらいました。

残念ながらヴィヒタ(榊みたいな葉っぱのついた木の枝で背中をパシパシ叩く)置いてあったところはフィンランドエストニア通して一か所もなし。葉っぱ散らかるからだろうか。

サウナで十分暖まった後はサンダルパタパタ言わせながら先ほどの海水プールにどぼんと浸かりに行くのだ。そしてプールの外側からの「えーマジでこの海入るのー?」みたいな観光客からの視線に耐え、ウッドデッキでととのい外気浴。

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ちなみに8月終わりで気温は多分22度ぐらい。寒くはなく日が当たっていると気持ちがいいが、意外に日焼けしてびっくり。東京帰ってきてから「夏休みハワイでも行ったの?」と聞かれて「いや北欧へ行きました」といったら怪訝な顔で見られるレベル。

カフェで水を買うと4ユーロ以上するので、受付のところで売っている水を2ユーロぐらいで買うことをお勧めします。

フィンランド来て一発目、もしくは帰国便に乗るまでの最後のサウナとしてお勧めです!

 

www.allasseapool.fi

 

 

 

 

 

 

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薪だきサウナを出たら湖にドボン! 本場フィンランドでサウナ好きの夢が叶うの巻

おっさんになって経験値上がると「死ぬまでにこれだけはやってみたい」みたいな夢がどんどん減っていってしまうのだが、久しぶりに超テンション上がってサウナ好きなら大興奮間違いなし、というのを本場フィンランドでやってきた。こんなやつ。 

サウナ小屋ひと棟借り切って自分で薪焚いてサウナストーブ暖めロウリュで湿度ととのえ、サウナで超気持ちよく汗かいてからもうこれ以上ムリーってなったところでサウナを飛び出して目の前の湖にドボン!!

その夢が叶った模様はこちらになります。

サウナ小屋を貸切にして。f:id:KodomoGinko:20190901145441j:plain

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裏の小屋からとってきた薪をサウナストーブに自分でくべて。
(ちなみに薪割り用の木と斧もありました)f:id:KodomoGinko:20190901144743j:plain

f:id:KodomoGinko:20190901144830j:plain自分好みの温度になるまでサウナ室を暖める(右下がサウナストーブ、この下に薪を入れる)。f:id:KodomoGinko:20190901144935j:plainおよそ待つこと30分、最初は50℃ぐらいだったサウナ室内の温度がストーブの上の石に湖の水を掛けるごとに上昇。最終的には90℃近くまで温度が上がるよう思う存分ロウリュし、身体を芯から暖めて、細かい玉のような汗が体中から噴き出してもうダメだーってなったらサウナ小屋から走って推定水温14度の目の前の池にドボン!!

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ってやつですよ奥様。上のGIFの最後に謎の手が写りこんでますが心霊写真ではなくうちのムスメの腕ですのであしからず。

これをやったのがフィンランドの東側、ロシアに面した湖水地方の国立公園の中の島。

湖水地方にはフィンランド最大の湖(琵琶湖の6倍)、珍しい淡水アザラシで有名なサイマー湖があり、その中にリンナサーリ国立公園がある。ヘルシンキからレンタカーで4時間ぐらい。トレッキングやカヌーなどを楽しむ人の間では超憧れの場所らしい。


そこの国立公園の玄関口のようなところにある島でサウナ小屋を貸し切りにすることができる。私の泊まっていたホテルの目の前の船着場からボートで20分ほど。一人30ユーロ。ボートは朝の11時出発で、4時に迎えに来てくれるf:id:KodomoGinko:20190901151134j:plain
フィンランドはIT大国で知られているのだが、国立公園の中の無人島にあるキャンプサイトサウナを貸し切りにするのにもウェブで予約しないといけないのだ。そんで料金25ユーロもクレジットカード決済*1

決済が終わるとサウナ小屋入り口横のキーボックスの暗証番号がメールに送られてくる。それを使って鍵を取り出しサウナ小屋のドアを開ける。したがってメール受信できるスマホも必須*2

私がその日一番初めのサウナ利用者だったこともあってキャンプサイトの管理人さんがカギを開けて予熱してくれていた。当たり前だがサウナがいきなり熱くなったりはしないので一時間前ぐらいから準備が必要。サウナ小屋を使う人は自分がその日一番初めの客かもしれないので上陸したらとりあえず船着き場を上がったところにある管理人さんのいるカフェに行くのが吉。

湖は茶色っぽい色をしているが綺麗。匂いもないし、味もない。木の葉がピート(泥炭)になってその色が出てきているように思われる。水風呂と違って体の周りの水が簡単には温まらないので水温14℃ほどに感じられるが体が冷えるのが早い。身体にすぐあまみが出て*3ベンチに座っているとめちゃくちゃととのいます。

サウナ終わった後服を着て、水分補給しながらキャンプ場のかまどで火を起こし、そこでソーセージ焼いて木の枝に突き刺して食べるのはマジ最高。サウナで汗かいて水分と塩分抜けてしまった身体にソーセージの塩分が染み込み、ビールが最高に美味い。だから事前にビールなどサウナ後に飲む飲み物とソーセージをぜひ買っておいてもらいたい。島のカフェ兼管理事務所的なところでも最低限のものは買えるが、ソーセージは売っていないことは確かだ。

11時半前に島に着き、3時間弱トレッキングをして2時から1時間サウナに入り、4時に迎えのボートが来るまで、雨宿りも兼ねて焚き火しながらソーセージ食べていた。ソーセージの本場から来たドイツ人家族の前で美味しそうに食べてしまった。言い訳するとたくさんあったらあげたのだけど我々3人家族用に4本しか買ってなかったのだった。

いつも電気で暖めるサウナストーブですでにいい感じになっているサウナ室に慣れっこになっていたが、ひと手間掛けて自分で薪をくべて暖めて自分の好みの温度と湿度に調整するサウナを初めて体験できた。そして自然の中に飛び出して身体を冷ませばマジでととのいます。控え目に言ってもサイコーってやつでした。

 

 

 

 

 

*1:ちなみにフィンランドではクレジットカードはICチップ付きのVisaかMasterしかほぼ使えないので注意

*2:フィンランドの電話番号もサウナの予約時に必要なので現地でSIMカードを買うことを強く推奨、DNAというキャリアのSIMがR-KIOSKというコンビニみたいなところで買える。5日間使い放題でたった5ユーロなので日本でなんとかWifiとか借りて出かけるのがアホらしい。日本の電話番号でかかってくる電話は受けられないが、留守番電話のメッセージでLINEやSMSでメッセージ送れ、って吹き込んでおけばいいのでは

*3:あまみとは冷熱交互浴によって血管が浮き上がって赤い網目のような模様が皮膚にできること。サウナで仕上がっている証拠とされる。

かわいい子には旅をさせよ: ラガヴーリン25年200周年ボトルを抱えてフィンランドとエストニアを行ったり来たりの巻

今年の夏休みはフィンランドエストニア。いつもはギリギリの時間にしか空港に行かないが、お盆で家族づれということで念のためフライトの3時間半前に家を出た。しかし高速も空いていて駐車場もあっけなく止められ、フライト2時間前にはラウンジで551の豚まんとビールをまた楽しんでいた

というのはもちろん嘘で、ラフロイグソーダを飲みながらのカレー。流石に誰からも声をかけられることはない。

仕事行く日と変わらない時間に起きて朝10時45分の成田からのフライトに乗ること10時間。東京時間の午後9時、ヘルシンキに午後3時着。ヘルシンキの気温は20度。そもそもお盆ど真ん中に東京を発つのに家族分の空席があるだけでもありがたいのに、時差的にも気候的にも身体に優しく、本場のサウナと美味い食べ物でリフレッシュして、基本的に英語が通じるので何か困ったことがあってもどうにかなるという安心感。消耗せずにフル充電できる夏休みにぴったり。結果的にはまさにそうなった。

ヘルシンキ市内へは空港から小一時間。ヘルシンキ中央駅前にある建物もサービスもソビエト社会主義共和国連邦風味のホテルにに夕方チェックインした後軽く市内をうろつき、一番大きなデパートでウイスキー冷やかしヘルシンキ大聖堂を見る。お上りさんが三越行って浅草寺行くようなものか。

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f:id:KodomoGinko:20190829152647j:plainオフィシャルボトルの相場に明るくないので安いか高いかわからない。いずれにせよここには最終日に戻ってこられるので本日は偵察のみ。アードベッグドラムはまた飲みたい、と思っていたので在庫があってちょっとうれしい。値段も普通だし。

店から出てきて午後9時、まだ薄明るい。

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出発前に目星をつけていたEMOというレストランに飛び込みで入ってみる。結果は大成功、めちゃクオリティ高い。ミシュランビブグルマン。東京と変わらないお値段。

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旅の2日目は午後5時過ぎのエストニアの首都タリン行きのフェリーに乗る前に朝からプールに行ってサウナ入ったりベタな観光をしたり。ヘルシンキもタリンも港が中心部にある上、船で僅か2時間ほどしかかからないので日帰りもできる。

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ホテルをチェックアウトした後独特の何となく時間を持て余した感じの1日だわい、と思っていたらいきなり激しくやらかした。

フェリーは早めに出発することもあるから1時間ほど前に着かないと、と聞かされていたので1時間半前にフェリーターミナルに行ってみた。どういう訳か人がほとんどいない。おかしい。

ふと掲示板を見ると今日のフェリーは全て出航済み、となっている。私の乗るはずだった17:15発の便はどうなったのだ?と頭がはてなマークで一杯になる。今日のEckero Line最終便は15:15発で、それが私の乗るべき便だったらしい。

どうやらフェリーの予約確認のEメールをiPhoneカレンダーが自動で読み込むときに時差を間違えたらしく、その間違ったiPhoneカレンダーの情報を私がうのみにしていたのが原因と判明。ちなみにタリンはロンドンと2時間差なのでそのせいだと思われる。アホすぎる。慌てて予約を取ったdirectferriesのウェブで調べると他の会社の便も含めもう明日の便しかない。

マジか。ショック大。そして一瞬パニック。

今晩泊まるはずだったタリンのホテルキャンセルしてヘルシンキで宿を取り直さなければ。そして明日一番早いタリン行きの便を予約しないと。

ダメもとで別のフェリー会社のカウンターまでてくてく歩いて行って今日中にタリンに行く方法はあるか?と聞くと本当の最終便、19時半の便に乗れるという。一も二もなく90ユーロを払う。

自分の馬鹿さ加減にイライラしながら2時間時間をつぶし、無事タリン行きの大型フェリーに乗り込んだ。Tallinkというオペレーター。待ちくたびれ、腹が減ったしプチヤケ酒で船内のバーでビールを2パイント飲んでクリスプス、というかポテチを食べて晩飯の代わりとする。
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自国での酒の税金が高いのでエストニアに行ってフィンランド人は酒を買うのだ、と聞いていたのでフェリー内のスーパーマーケットを冷やかしに行く。酒のバラエティーがすごい。ウイスキーはまあ普通のオフィシャルボトルが種類だけはたくさん並んでいるけれど、どれもそそられないわーと思いながら見ていると、ガラスケースの中にハイエンドのボトルが並んでいた。結構いいのあるじゃん。

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値段を見てみると、タリスカー30年339ユーロ、2017年リリースのラフロイグ25年329ユーロ、バルヴェニー25年トリプルカスク349ユーロの横にラガヴーリン25年蒸留所設立200周年記念、769ユーロというのがあった。1ユーロ120円としても9万円強。あれーもっと高くなかったっけ?と思いながら席に戻る。

席に戻ってスマホで日本での価格を調べると15-18万円ぐらいが相場。渋谷ポットスティルと新橋キャパドニックで二度飲み軽く感動した記憶も新しく、うーんこれは買うべきかも、どうしたものか、とうっすら酔いが回ってきた頭で悩む。
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そしてしばらく悩んだのちに結局後悔しないために購入。世の中に8000本しかなく、ウェブでもあまり見かけないので。フェリーの上では免税なのかと思っていたら実は24%の消費税込みで、レジに行ったら「タックスフリーショッピングの書類、受付行ったらもらえるよ」と言われてここからさらに安くなるのかと驚く。
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東京で買うと15万円だとすると税還付込みで8万円ぐらいで買えたから7万円得した!というアホな考えが湧き出してくるが多分軽く酔っ払っているせいだ。カネ使えば使うほど儲かる訳がない。
だがフェリー乗り遅れたせいで90ユーロの無駄金使ったのがチャラになった、と少し気が楽になった。

ちなみにタリンからの帰路、乗り遅れていなければ乗るはずだったフェリー会社(Eckero)の船の中ではウイスキーは売っているもののハイエンドの商品はなく、乗り遅れていなければラガヴーリン200周年記念ボトル8000本限定、というレアな一本を手に入れられなかったというのも事実。けがの功名。

EckeroのフェリーではGame of Thronesのシリーズが売られていた。

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クライヌリッシュ、タリスカーラガヴーリン、シングルトン、ジョニーウォーカーが売れ残っていてロイヤルロッホナガー、オーバン、カーデュ、ダルウィニーが売り切れているという超変態な売れ行きで笑ってしまった。日本人だと普通最初の3つから買うよね。

そして手元に高価なボトルを抱えたまま9日間旅を続けることになった。
しっかりとした紙の箱に入っているものの、エアキャップ(いわゆるプチプチ)などで保護しているわけでもなく、割ってしまえば9万円のブツがパー。荷物を預ける時に何かあっても嫌なのでボトルを持ち歩いたまま観光してかなり消耗。ラフロイグ25年のように木のめちゃくちゃごっつい重い箱だったら間違いなく爆死していたところだった。

結果的にこのラガヴーリンはタリンから車で2時間ほど南下したところにあるリゾート地パルヌに旅をし、

f:id:KodomoGinko:20190829160046j:plainまた世界遺産のタリンに戻ってきて、

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フィンランド湾を再び渡り、

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フィンランド公式訪問中のプーチン大統領の車列とニアミスし、

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そこから350kmほど離れたフィンランド北東部の湖水地方にあるフィンランド最大の湖サイマー湖まで運ばれ、

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そしてまたヘルシンキに戻ってきた。かわいい子には旅をさせよ。

10日間の旅を終えて東京に戻るときにもまた一悶着。免税手続きには実物を提示する必要がありチェックインする荷物の中に先に入れるわけにいかず、スーツケースをJALカウンターでチェックインしてから免税カウンターへ。 

ヘルシンキからアジアに向かう便が夕方に集中しているせいで中国・香港人の爆買いの人たちの長蛇の列に巻き込まれる。セルフでできるマシンにもトライしてみたのだが「この商品はセルフ手続できません」的なメッセージが出てしまうので結局長蛇の列に加わることに。みんな飛行機の時間が迫ってイライラしてくるのが分かる。

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結局小一時間ほどかかって免税手続きを終わらせ、ラガヴーリンの買値が100ユーロほど安くなった。

しかしその後またトラブル。免税品で密封されており未開封なので手荷物検査を通過して機内持ち込みできるかと思っていたら(JALのカウンターでもそう言っていた)、タリン行のフェリーで買ったものだから機内持ち込み不可、もう一度出てカウンターで荷物預けて来いと言われる。

JALのカウンターに再び行くと箱とエアキャップをくれ、こわれもの扱いをしてくれるものの箱単体では破損のリスクはそれなりにあるという。そして免責書類への署名を求められた。割れても補償ないよ、ってこと。結局プチプチでぐるぐる巻きにしたラガヴーリンの箱を段ボール箱でさらに補強し、機内に持ち込む予定だったリュックサックの中に無理やり押し込んで服でクッションを作り、しっかりFragileのタグをつけてもらったことを確認したあとは運を天に祈るだけ。

免税手続きで並び、手荷物検査で並んだら一度弾かれて再びJALカウンターへ、そしてまた手荷物検査やってその後の出国審査も大渋滞。時間に余裕を持ってきていてよかった。

こんなに手続大変なんだったら空港の免税店で酒買えばいいじゃん、というご意見もあるかとは思いますが、種類はそろっているもののあまり面白いウイスキーは売っておらず。唯一目を引いたのがマキロップスチョイスのボウモア98年というヘルシンキ空港限定ボトルがあったこと。珍しいし2万8千円ほどなので買おうかどうか一瞬悩んだが、ボウモアにはそこまで思い入れないのでパス。

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結局昼食を空港で取ろうという目論見は外れ、ぎりぎりの時間に飛行機に乗り込んだ。

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10日の旅行だったがフィンランドエストニアは本当に気持ちがよかった。やさしい人が多く、日本人に対してリスペクトがある気がする。食べ物が口に合う。トナカイ美味い。サケマス系の魚も。タリンのロシア料理レストラン「チャイコフスキー」はわざわざそのためだけに再訪してもいいくらいだった。本場のサウナも。また機会があればいろいろ書いてみたい。


手続き長引いたせいで昼食が食べられず、機上の人となってすきっ腹抱え久しぶりの和食が楽しみ。食中酒何飲むか聞かれたので「本日の日本のウイスキーってなんですか?」と聞いたら白州とのこと。久しぶりの白州もいいな、ストレートでソーダを添えて持ってきてください、とお願いした。そしたらしばらく経ってからCAさんがやってきて、せっかくのお綺麗な顔の眉根にしわを寄せて「大変申し訳ございません、本日は山﨑しかございませんでした」と詫びられる。いやそこ謝るところじゃないし。

そしてやってきたのがこちら。うーん。おそらく100㏄、あるいはもっとかも。

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これは普段ウイスキー飲まない人がついでくれる時のあるある、なのかそれとも何度もお代わり注ぎに来させられるぐらいなら最初からがっつり注いじゃえ、ということだったのか、あるいは「お店じゃないんだからそんなケチケチしないでがっつり注いでくれ」的なことを言いそうな柄の悪い乗客と思われたのか。正解はどれ?

ウエルカムドリンクのスパークリングワイン飲んで、食事の前にロゼワインを飲み、そしてこれ飲んでしまうと9時間後ぐらいに成田から自宅まで運転するんだけど大丈夫か俺?と思いながら久しぶりに飲む山崎が美味い。この量でも飲み干してしまう。その後はおとなしくアルコールの分解に励みながら、お酒の神様に「ボトルが割れないようお願いします」と祈りを捧げつつ眠りに落ちる。

普段の行いがいいせいで神様が私の願いを聞き入れてくださり、成田で無事に荷物を引き上げ、長旅を共にしたラガヴーリンが我が家にやってきた。長旅をしたかわいい子。

10年か20年かぐらい経って何かめでたいことがあった時に、この文章を見て旅の想い出を思い返しつつ味わってみることにしたい。

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